くらし

盲導犬を引退した犬と暮らすボランティアもあります。

視覚障害に寄り添って生活を共にする盲導犬。訓練後に約2歳から活動を始めて10歳で引退する。
その後は「引退犬飼育ボランティア」と共に余生を過ごすことが多い。日本盲導犬協会で引退犬飼育ボランティアを経験した熊谷洋子さんに話を聞いた。
  • 撮影・黒川ひろみ イラストレーション・オカタオカ 文・篠崎恵美子

「最初は盲導犬になる子犬を育てるパピーウォーカー(子犬飼育ボランティア)に応募したんです」

やってきたラブラドールのイリアスは、家族にとって初めての大型犬。とまどうことも多かったというが、日本盲導犬協会の訓練センターでしつけを教わったりしながら、ボランティア期間の10カ月はあっという間に過ぎた。その後イリアスは訓練を受け盲導犬になったが、イリアスが引退すると聞いたとき、今度は引退犬のボランティアを申し出た。

家族全員で訓練センターに迎えに行った日が忘れられないという。

「私たちを覚えていたんですよ。どうしてここにいるの?って不思議そうな顔をして」

それから7年間を楽しく過ごした。盲導犬の一生の最初と最後に関わることができて本当によかったと熊谷さん。現在も2頭の引退犬と暮らしている。

「引退犬ボランティアは、大型犬を最期まで看取るという大きな責任がありますので、信頼できるボランティアに飼育をお任せしています。盲導犬の育成事業はこうしたボランティアの方々にも支えられています」(引退犬担当職員・石見純子さん)

熊谷さんファミリーとイリアス(12歳当時)。伊豆に旅行したときのスナップ。

パピーウォーカーと引退犬ボランティアの募集は日本盲導犬協会のホームページ (https://www.moud ouken.net/)で検索を。

『クロワッサン』1056号より

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