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今をときめく注目の女方、歌舞伎俳優、中村莟玉さんインタビュー。

気品があふれ愛らしい歌舞伎の女方。次世代を担う時分の花をそなえた華やかな女方の中村莟玉(かんぎょく)さんが歌舞伎の魅力を解説。素顔も明かしてくれました。

撮影・青木和義 ヘア&メイク・川又由紀

三部制の今なら見どころも凝縮。 初心者の方も見やすいですよ。

今をときめく注目の女方、歌舞伎俳優、中村莟玉さんインタビュー。

2年前、一般家庭から中村梅玉の養子になった中村莟玉さん。幼いころに母親に連れられて歌舞伎を観たことがきっかけでこの世界に入った。

「この間、母に聞いたら、『まさか歌舞伎役者になるとは1ミリも思ってなかったわ』って(笑)。

歌舞伎のすばらしさは同じ役者がひとつの役を生涯かけて演じ続けられること。

僕は23歳の時、憧れていた『鬼一法眼三略巻菊畑(きいちほうげんさんりゃくのまき きくばたけ)』の奴虎蔵を演じさせていただきましたが、50歳離れた養父(中村梅玉)が翌月には同じ役をやるかもしれない。

令和3年3月歌舞伎座『戻駕色相肩』禿たより。鷹揚な踊りの面白さに改めて気づいたとうなずく。
令和3年3月歌舞伎座『戻駕色相肩』禿たより。鷹揚な踊りの面白さに改めて気づいたとうなずく。

あのお役をやるためには、ずっとバイタリティを保ち、健康でいないといけない。そんなふうに、一生かけて芸を精進できるのは歌舞伎独特。お客さまにはそういうところも楽しんでいただきたいですね。

9月の歌舞伎座『お江戸みやげ』のお紺のお役は、養父に『自分で創ることを覚えないとダメだよ』と言われ、つとめました。引き続き女方の勉強もさせていただけたらうれしいです」

  • 中村莟玉

    中村莟玉 さん (なかむら・かんぎょく)

    歌舞伎俳優

    1996年生まれ。2006年4月、中村梅玉の部屋子(へやご)となり、中村梅丸を名乗る。’19年に養子入りし、初代中村莟玉と改名。愛称はまるる。10月国立劇場『伊勢音頭恋寝刃』に出演。

『クロワッサン』1054号より

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