昔、祖母から“あなたの手は女方に向いてるかもね”と言われたという米吉さん。
「そんな言葉を真に受けて、はじめは立役とどちらも、なんて考えていました。でもスタートの遅かった僕に両立は無理だと思って、女方を中心に勉強しようと決意しました。女方は、肩甲骨をくっつけて肩を落としたり、膝を折ったり、お尻を落としたり、体を華奢に見せる工夫が昔から伝わっています。手も親指をしまって小さく見せているんですよ。
昔、祖母から“あなたの手は女方に向いてるかもね”と言われたという米吉さん。
「そんな言葉を真に受けて、はじめは立役とどちらも、なんて考えていました。でもスタートの遅かった僕に両立は無理だと思って、女方を中心に勉強しようと決意しました。女方は、肩甲骨をくっつけて肩を落としたり、膝を折ったり、お尻を落としたり、体を華奢に見せる工夫が昔から伝わっています。手も親指をしまって小さく見せているんですよ。
女方にとっては、若くきれいな時が花なのかもしれません。でもしっかり学べば、若い頃にはない芸の力で本当の魅力のようなものが身につくと信じてつとめています。
10月は歌舞伎座の第一部『天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)』に小平次の妹おまきで出させていただきますが、これは10年ぶり。その間の勉強を試される時です。ご観劇の際には歌舞伎座の裏のバナナジュースが、美味しくてオススメです(笑)」
『クロワッサン』1054号より
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