蒸しかしわ豆腐【こてらみやさんの京のおばんざいレシピ】
撮影・小川朋央 文・松本あかね
[鶏]
下味をつけるひと手間で香りよく、旨味も凝縮。
蒸しかしわ豆腐
豆腐に鶏の旨味をプラス。だしをご飯にかけても美味。
【材料(2人分)】
鶏もも肉 1枚(約300g/下味:塩小さじ1/2 酒小さじ1)
絹豆腐 1丁(約350g)
しいたけ 2枚
長ねぎ 1/2本
酒大さじ 1
A[水 大さじ1 しょうゆ 大さじ1 酢 小さじ1 みりん 小さじ1 柑橘果汁(ゆずやすだち、レモンなど) 小さじ1 かつお節 1.5g(およそ2つまみ)]
七味唐辛子、ゆずこしょう 各適宜
【作り方】
1.鶏肉は余分な脂を取り除いて一口大に切り、下味を揉み込む。
2.豆腐は6等分に、長ねぎは幅1cmの斜め切り、しいたけは1枚を4等分のそぎ切りにする。
3.Aを耐熱の器に入れて耐熱の皿の中心に置き、その周りに豆腐と鶏肉、長ねぎ、しいたけをのせ、酒をふりかけて皿ごと蒸し器へ。
4.常に蒸気が出る程度の火加減で約10分蒸す。
5.器にAと具材を取り、好みで七味唐辛子やゆずこしょうをつけて食べる。
「おばんざいは特別なものではなく、京都の家庭で当たり前に食べている普段のおかずのことです」と話すのは、京都育ちのこてらみやさん。
「特別な材料や調味料は使わないけれど、出汁を含ませたり、相性のいい食材と合わせたり、時には食感を変えて、飽きずにおいしくいただくための工夫をいつも心がけています」
その精神はおなじみの食材にこそ発揮される。「豆腐なら凍らせて炒り豆腐に、崩してサラダ、つぶして餃子に。肉代わりとしても重宝します」
いつもの唐揚げも山椒の香りをまとうとぐっと大人の味。卵料理が昼ごはんの主役を張るのも京都ならでは。食材の滋味をとことん引き出す「おばんざい」の知恵をお試しあれ。
『クロワッサン』1052号より