執筆などで多忙を極める羽田圭介さん。特別に料理が好きというわけではないが、それだからこそ、作り置きできるヘルシーな鶏ハムに目をつけた。
「往時には外国産の安い肉を4kg買ってきて、一度に仕込んでいました。芥川賞をとったばかりのころ、テレビ番組の打ち合わせで『毎日鶏ハムを食べている』と話したら、すごく面白がってくれて。その後はテレビクルーが家に来ては作ってみせる日々が続き、冷凍庫は常に鶏ハムでいっぱいでした」
鶏ハムはかつての節約生活を支えてくれた一品。サラダ風に食べたり、カレーの具にしたりと自在に活用できるのもありがたい。今でも、鶏ハムのように素材の味をシンプルに引き出す料理が好きでよく作る。鉄製のスキレットに鶏もも肉と根菜を敷き詰めて蒸し煮するポトフ風も、その一つだ。
「適当に具材を入れて放っておくだけだから、ものすごく簡単。鉄の厚い鍋で作ると、やわらかく火が通っておいしくなります」