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印象が変わる! 手書きのマナーやアイテムの選び方。

SNS全盛の今だからこそ、受け取るとうれしい手書きメッセージ。知っておくべき手書きのマナーやアイテムの選び方をご紹介。

撮影・黒川ひろみ スタイリング・矢口紀子 文・野尻和代

手軽に取り入れたい。一筆箋・はがき・カード。

すぐに伝えたい用件がある場合は、メールやメッセージアプリでのやりとりがスピーディで便利。でも、「コロナ禍で人と直接会う機会が減っている今だからこそ、温かみのある手書き文字は特別感が増し、気持ちを伝えるのに効果的です」というのは、よりよい人間関係を築くための、さまざまなマナーを提案している船田三和子さん。

「手紙は文字の上手い下手ではなく、相手を思って丁寧に書くことが大切。筆跡や行間などに気持ちが表れ、言葉以上のものとなるのが魅力なのです」

とはいえ、いざ封書をしたためるとなると少し堅苦しくなりがち。
「贈り物などに添えるならば、種類が豊富で、用途も幅広い一筆箋を。季節の挨拶などにははがき、お祝いやお礼にはカードがおすすめ。短い文章でも、心を込めて書けば充分伝わります」

右・詩穂箋 一筆箋 352円(銀座 伊東屋 本店 TEL.03・3561・8311) 左 ・紙シリーズ 一筆箋 シルク 金魚柄、盛夏の花柄 各462円※なくなり次第販売終了(ミドリ www.midori-japan.co.jp)
右・詩穂箋 一筆箋 352円(銀座 伊東屋 本店 TEL.03・3561・8311) 左 ・紙シリーズ 一筆箋 シルク 金魚柄、盛夏の花柄 各462円※なくなり次第販売終了(ミドリ www.midori-japan.co.jp)

相手やシーンに合わせて、適切なアイテム選びを。

一筆箋、はがき、カードは、素材やデザインの種類が豊富で、今や送る側もセレクトするのが楽しみのひとつに。けれども、送る相手やシーンによっては、選び方を一歩間違えると無作法と思われてしまうことが。

「日本では、縦書きはフォーマル、横書きはカジュアルとされています。
それを基本に、一筆箋やはがきの場合は、上質な和紙を使った白の無地が格式高く、目上の人向け。
西洋紙や絵柄付きは日常使いとされ、ビジネスシーンではシンプルな無地の罫線入りを使うのが一般的。
友人など親しい間柄の人には、季節感や相手の趣味に合わせた絵柄を取り入れても素敵です。
カードは欧米文化のアイテムなので、横書きが基本。二つ折りで中紙がついているものがワンランク上とされます」

また、筆記具にも心配りが必要。

「和紙の時は筆ペンで、そこから万年筆、水性ボールペンという順でくずした形になります。インクの色は、黒ならば相手やシーンを選びません。でも、ビジネスや友人宛には、ブルーブラックで少し柔らかい印象にしても」

はがき 右から、色合いが夏らしい、木洩日柄 20枚330円(ミドリ) 目上の人に、一枚漉 未晒し和紙 10枚726円、ビジネス用に活躍、罫線入り 10枚286円(共に銀座 伊東屋 本店)
はがき 右から、色合いが夏らしい、木洩日柄 20枚330円(ミドリ) 目上の人に、一枚漉 未晒し和紙 10枚726円、ビジネス用に活躍、罫線入り 10枚286円(共に銀座 伊東屋 本店)

基本的なルールに沿って、気持ちよく伝えること。

「一筆箋の場合、用件は簡潔にまとめ、会話のような言葉でわかりやすく、ゆったりと書くこと。ビジネスでも前文の決まり文句は不要です。そして、最大2枚までに収めるようにしてください」

封書の略式であるはがきは、手紙同様、前文、主文、末文の構成が基本。

「ただし、スペースに限りがあるので、要点を絞り、主文の目的を明確に。プライベートの場合は、拝啓などの頭語は必要がなく、簡単な時候の挨拶から始めてかまいません。ビジネスや目上の方には、基本構成をベースに、言葉使いを丁寧な表現で。上下左右に1センチ程度余白をとって書き、文章が縦書きならば、宛名も揃えましょう」

カードもはがきに準ずるが、贈り物と別送の際はタイミングに注意を。

「贈り物到着の5日〜1週間前に届くように送るのがマナーですが、誕生日のお祝いの場合は同時でも失礼にはなりません。一筆箋もはがきもカードも、短い文章で用件をわかりやすく書くことが重要ですが、具体的な感想や感情、事柄をひと言入れると、より一層もらってうれしい手書きとなるでしょう」

上から時計回りに、A5カード中紙 10枚210円(PCM竹尾 TEL.03・3295・7500) 重ねたブルーのカード[グムンド] 231円(銀座 伊東屋 本店) ミニカード 20枚210円、ミニ封筒 5枚210円(共にピンナップ TEL.03・3403・2303) 活版印刷greetingsカード(封筒とセット) 418円(ミドリ)
上から時計回りに、A5カード中紙 10枚210円(PCM竹尾 TEL.03・3295・7500) 重ねたブルーのカード[グムンド] 231円(銀座 伊東屋 本店) ミニカード 20枚210円、ミニ封筒 5枚210円(共にピンナップ TEL.03・3403・2303) 活版印刷greetingsカード(封筒とセット) 418円(ミドリ)
  • 船田三和子

    船田三和子 さん (ふなだ・みわこ)

    一般社団法人日本プロトコール・ マナー協会代表理事

    プロトコールから生活全般にわたるマナーまで幅広く提案。「なぜそうするのか」という本質を軸にマナーを基礎から体系的に伝えている。著書に『マダム船田のエレガントな手紙の書き方』ほか。

『クロワッサン』1050号より

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