これまでの65年の人生で、「金運が巡ってきたかな」と実感したことが2回あった、とショコラさんがふり返る。
「離婚した夫の父が亡くなり、その遺産を離縁した私にも分けてもらえることになりました。もう他人の私になぜ? 私なりに考えたのは、慰謝料ももらっていないし、離婚後に子どもたちの大学の授業料を負担したし、その分だと思ってありがたくいただくことにしました。私にとっては、まとまったお金になりました」
「おかあさんにもおじいちゃんの遺産を分けてあげて」と、元夫に交渉してくれたのは、長男だった。
「当時、長男は司法書士の勉強をしていて。土地家屋や遺産相続の専門知識があり、元夫にも掛けあってくれたようです。このときのお金は、なんとなく生活費に使ってしまう気になれず、ローンの繰り上げにあてました」
46歳で購入したマンションのローンは、35年の返済プランだった。
「遺産がなかったら、ローンの返済が遅れ、老後資金も厳しかったかも。あのときは金運があったと思います」
2度目に金運が巡ってきたのは、60歳を過ぎてから。
「還暦になったので、なにか新しいことに挑戦しようと心に決めて、備忘録を兼ねたブログを始めたのです。おかげさまでいろいろな縁がつながり、雑誌のインタビューを受けたり、テレビに出演したり、著書も出版できました」
とはいえ、ショコラさんは著書のなかに書いているとおり、今も週4日、呉服関係の職場に勤めている。
「本業はパート社員です。私のブログにはアフィリエイトもないし、広告収入はありません。それでも多くの経験ができて、世界が広がったのは、お金には代えられないこと。還暦を迎えて、新しい世界に飛び込めたことが、金運を招いたのかもしれません」
月12万円での暮らしは、企業基金と老齢年金とパート収入でまかない、残りは予備費にプールしてある。
「この年齢になっても、おしゃれが大好きで、物欲はなくなりません。欲しいものリストに書き出してクールダウンするから、衝動買いはほぼしません」
お金に見栄を張らない、ごまかさない。ショコラさんの真摯なお金との向き合い方が、金運に味方される秘訣かもしれない。