常に身軽に、今住みたい場所へ。小川糸さんの軽やかで縛られない暮らし方。
ベルリンでの暮らしにひと区切りをつけて、昨年帰国した小川糸さん。住まいへの考え方、今後の展望も聞いた。
撮影・豊田 都 ベルリン生活に関する写真提供・小川 糸 文・小沢緑子
美しい緑に囲まれた、ベルリンでの生活。
小川さんがベルリンで愛犬のゆりねちゃんと一緒に暮らしていたのは、中心地にあるミッテ区。
「都市なのに緑が溢れ自然が豊かなことと、電車やレストランもペット同伴OKだったことも気に入っていました」
住んでいたアパートは、日本でいう3階の、キッチン、リビング、寝室、小部屋がある90平米ほどの3LDK。
「目の前に大きな公園があって、仕事中にふと顔を上げると窓から緑が見えるのが気持ちよくて。美しい風景が目に入る環境は、私にとって住まいを選ぶうえで譲れない条件だと思いました」
建物が古くてエレベーターはなかったが、「それほど苦にはならなくて。ひとつ文句を言うとしたら部屋が広すぎたこと(笑)。1人と犬1匹が住めるスペースがあれば、私は充分なんです」。
東京で今、恋しく思うのは湖だそう。
「電車に30分乗って郊外に出ると森が広がり湖がたくさんあって。週末にゆりねと湖にぷらっと散歩に出かけられた環境が、かけがえのないものでした」
郊外に出ると豊かな緑に囲まれ、湖も多い。
湖の周りには遊歩道があり、散歩コースに。
年月が経った部屋も手入れが行き届いている。
テーブルは前の住人から引き継いだもの。
ドイツの夏はテラスで一杯、もお楽しみ。
休日を家族と森で過ごすのも人気。
食材はマーケットで。これはクリスマスの頃。
朝が早い小川さん。窓の外には美しい朝焼け。
窓にキャンドルやお気に入りの雑貨を飾って。
『クロワッサン』1046号より
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