本誌連載「花に、託して。」でおなじみのフラワースタイリスト・平井かずみさんは、以前にも増してハーブに夢中だといいます。ハーブのことをもっと知るべく、早春の一日、長野県茅野市に「蓼科ハーバルノート・シンプルズ」の萩尾エリ子さんを訪ねました。
平井かずみさん(以下、平井) 庭に春の小さな花々が咲き始めていますね。前回、こちらに伺ったときは初夏だったので、また違った景色を見ることができてうれしいです。
萩尾エリ子さん(以下、萩尾) 小さな花だけど、こうして花束にするといい匂いでしょう? 小瓶に入れて、瓶ごと差し上げるととても喜ばれます。
平井 本当にいい香り。疲れていたり体調が悪いときはたくさんの花を一から生けるのも大変だから、そのまま飾れる小さな花束ってすごくいい贈りものだと思います。この花束は、季節の処方箋みたいなものですね。
萩尾 それ、いい言葉ね。
平井 こんな時世なので、植物の力を必要とする人も多いと思います。お店に来るお客さんやエリ子さんご自身にも、変化がありましたか?