整理収納アドバイザーが教える、枠や箱に収める片付け術。
撮影・青木和義 文・田辺 香
「もともと捨てるという概念がなく、使わないものも持ち続けるタイプでした。
14年前、いつか子ども部屋にしようと思っていた6畳一間が物で溢れかえり、開かずの間に。そこで整理収納アドバイザーの資格を持つ人にお願いして片づけてもらったんです。
結果、捨てるものが2トン車1台分も出て。しかもそれはほぼ、開かずの間になっていた部屋の中に入っていたものだったんです。
また、捨て方を知ったと同時に、畳み方や収納グッズの選び方と組み合わせで、限られたスペースでも整理できることがわかり衝撃を受けました」
当時、派遣会社の創業メンバー、取締役として所属していた中山さんは、その”衝撃”をきっかけに、会社に整理収納の事業部を立ち上げた。以来、自身も資格を取得して事業部の成功に大きく貢献し、昨年1月に独立。フリーとして、企業と一般家庭の片づけを毎月コンスタントにこなしている。
「片づけが苦手な人は物を捨てるのではなく、整えることから始めるのがいいと思います。
整える習慣がつくと、もっと使いやすくならないかと考えるようになり、その後、これは邪魔だと気づいて捨てていく。
結局、自分で気づかないと手放せないですし、勢いで捨てたとしてもリバウンドするだけです」
中山さんによると片づける際に大事なことは枠や箱に収めることだという。
「物がバラバラといろいろな場所にあるとどうしても散らかります。まずはボックスなど収納グッズで枠を作り、その枠に戻す習慣をつければいい。枠に収めるだけでも片づいて見えます」
移動させて家じゅうで使えるように頻度の高いものは取っ手付きの箱に。
スタックして使える〈KEYUCA〉のキャスター付き収納ケースを4段重ねてリビングに。よく使う小物を入れている。
「その上にキャリーボックスを置いて、付箋やペン、ホチキス、セロハンテープなどの文具類、メガネ、ハンドクリーム、スマホの充電器、計算機など、私がほぼ毎日使うものを入れています」
[おすすめグッズ]万能なキャリーボックス。
入れるものに応じて仕切りを外せる。
浴室や洗面所周りにはタテ収納。洗濯機横のすき間も活用する。
「経験上ですが、10cm以上20cm以下のすき間に物を収納したくなる人が多いんです。だからこそ、すき間にちょうど収まるグッズが多く出ていますし、それを利用しない手はありません」
中山さんは洗濯機横のすき間に〈山崎実業〉のマグネット式収納ラックを使用。洗剤や隣の浴室で使うバスブーツを置いている。