健康、金運、美容、家事まで。「暦」を日々の暮らしに活かす方法。
イラストレーション・津村仁美 文・長谷川未緒
Q.結婚式は大安にするべきですか。
大安は六曜のひとつですが、この六曜、じつは起源がはっきりせず、一般的になったのは明治以降です。大安は何をするにも障りのない日ですが、結婚式は大安以外にも、友引(周りと何かをなすと良い)、先勝(早ければ早いほど幸運が舞い込む)の午前中も、いいでしょう。
赤口(11時から13時は吉。他の時間帯は火の元、刃物に気をつけたい凶日)、先負(先んずれば負ける)、仏滅(何事もうまくいかない大凶日)は避けたほうが無難です。
Q.引っ越しはいつが良いですか。
方角に関する禁忌がない天一天上の期間と、何事も障りのない大安、周りの協力を得ると良い友引、先手必勝の先勝が引っ越しの吉日です。
なお干支の組み合わせで日数を表し、吉凶を占う選日の三隣亡(さんりんぼう)という日は、建築関係の大凶日。家周りのことを行うと、向こう三軒両隣を火事で滅ぼすとされ、気になさる方が多いので、おすすめしません。
土用期間も、土台を動かすようなことは、避けたほうがいいでしょう。
Q.宝くじ売り場で見かける一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)とは?
一粒万倍日は選日(干支の組み合わせで日数を表し、吉凶を占う)の中のひとつです。一粒が万倍になって帰ってくるとされる日で、毎月、4日か5日ほどある、数の多い、使い勝手の良い吉日です。
最近では、すっかり宝くじを買う日として定着していますが、万倍になって帰ってきたらうれしいことをなさるといいと思います。たとえば、人に感謝の気持ちを示したり、自分にご褒美を買ったり、これからやりたいと思うことを周囲に宣言したりするのもいいでしょう。
何事も始めるのに良い日ですが、万倍になることから、借金や物を借りるのは大凶とされています。人の悪口なども言わないように。
Q.お参りするのに、おすすめの日はありますか。
毎月初めにその月の無事を祈って朔日(ついたち)参りを、月末には感謝の気持ちを伝える晦日(みそか)参りを氏神様にしてはいかがでしょう。6月の夏越しの祓(はらえ)、12月の大祓(おおはらえ)は、神社にお参りすることで、罪や汚れを祓えます。この日は半年間の振り返りに役立てるといいと思います。
ご縁日もおすすめです。出店が並ぶことの多いご縁日は、そこに祀られている神様とご縁を結べる日です。合格祈願なら25日に天神様、健康祈願なら8日に薬師如来様など、祈願する内容に合う神様のご縁日にお参りするといいですよ。
Q.一粒万倍日と仏滅のように、吉日と 厄日が重なる日は、どうしたら?
一粒万倍日と仏滅、大安と不成就日(選日のひとつで、何事もうまくいかないとされる日)が重なっているということは、よくあります。一粒万倍日は吉日と重なっていたら運気もアップ、厄日では悪い影響も大きくなるといわれますが、自分の気持ちを優先していいと思います。やる気が勝れば吉を信じて行動を起こし、凶が気になるならばやめてはいかがでしょうか。いずれにしても、厄日は結果を期待しすぎず、焦らず慎重に行動するといいでしょう。
Q.金運をアップするには、何をすればいいですか。
暦の上で金運と関係が深いのは、巳の日です。巳とは蛇のことで、脱皮をくり返し、生命力が強く、龍の姿に似ていること、また、弁財天様の使いと考えられていることから、財運を司る動物とされています。
巳の日に弁財天様を祀っている神社にお参りしたり、財布を新調したり、臨時収入にも縁があるので、宝くじを買ったりしてもいいでしょう。巳の日は12日に一度ですが、60日に一度巡ってくる己巳(つちのとみ)の日は、弁財天様のご縁日で、さらに金運アップにつながると考えられています。
仕事で金運上昇を目指すなら、60日に一度の甲子の日もおすすめ。商売繁盛を司る大黒天様のご縁日で、出世関連などのご利益があります。
Q.新たなスタートにふさわしい日は?
六曜にも選日にも入らない暦注に、天赦日(てんしゃにち)という日があります。地上にいる神様がみな天にのぼり、すべての罪を許すとされる、年に5、6日しかない大吉日です。天の神様も後押ししてくれますから、新しいことを始めたり、今まで迷っていたことに決断を下したり、自分で自分にゴーサインを出すといいでしょう。
『クロワッサン』1036号より