伊勢神宮や出雲大社、神社に祀られる神々をモチーフにポップで鮮やかな絵を描く松尾たいこさん。
「もともと西洋的なモチーフを描くことが多く、神社仏閣にはあまり興味がなかったんですけど、編集の方に私の描いた神社を見てみたいと言われて伊勢神宮125社を全部回ったのが最初です。それがすごく気持ちよくて。鳥居と本殿だけの小さい社や石だけの社もあって、どう描き分けていくか悩みました。でも光や風、木々のそよぎや草の匂い、鳥のさえずりを肌で感じたことが助けになりましたね」
それ以後、森羅万象に神が宿るという日本古来の概念に共感し、古事記に登場する神々や神社を題材に表現を追求するようになった。
「私自身は神社へ行っても『いつもありがとうございます』って感謝するだけで、願い事はしないんです。何よりも行くと清々しいというのが一番で、元気になって前向きになれれば、良い運が巡ってくるように思うんですよね」