「笑う門には福来る」。いろはかるたのこの諺(ことわざ)こそ榊原郁恵さんの切なる思い。幸せは、笑顔が招き寄せるものだ。
「でも、自粛期間中は外に出ることもあまりなくなって、しかも顔の半分をマスクで隠していると無表情になりやすいでしょ。朝起きた時、眉間にシワが寄っていたりすると自分にガッカリしちゃうんです」
そう言えば、と思い出したのが、寝起きの顔に笑顔を作るだけで幸せが来るみたいな話をどこかで聞いたこと。
「年齢を重ねるにつれて笑顔どころか顔の筋肉が衰えて、たるんできちゃうんです。だから朝起きて鏡に向かう時は、『おはよう!』って自分に微笑みかけて、笑顔チェックを始めました。目をパッチリ開けて、口角を上げ、『あいうえお』って大きく口を開けたりして、唇の周りがたるまないように口を広げたり縮めたり、よく動かします」
この毎朝の習慣が「今日一日を明るい日にしよう!」と前向きな気持ちにさせてくれる元気の源に。
「笑顔でいることは何よりも家族や周りにいる人を幸せにしますよね。人の中に入ることで誰かの笑顔に元気づけられる時もあるし。そういう自分のバイオリズムというか、気持ちの波をちゃんとわかるっていうのは必要ですね。私は一度も独り暮らしをしたことがないので、大勢の中で自分をコントロールすることがいつの間にか身についたんです。家族といて癒やされることもあれば、気持ちがざわつく時もある。大切なのはいかに上手に気分転換するかなんですよね」