心身のエネルギーチャージのために、これぞと思う方法を習慣化していると語る吉本ばななさん。ひとつは、毎朝、神棚の水を替えることだ。
「小さい頃から母に連れられて行っていた奈良の大神(おおみわ)神社。大人になってからも、自然にご縁があるような気持ちでいて、神棚にはここのお札を飾っていますし、お守りも持っています。水を替えるのはささやかな習慣ですが、それだけで一日の始まりが違う。気分がしゃきっとするんです」
そんな吉本さんは、見えない力を味方につけている人。このインタビューを引き受けてくれたのも、不思議な偶然を感じたからだそう。
「ちょうど、私の作っているダイアリーに載せるメッセージをあれこれ考えているタイミングだったんです。今なら何か役に立ちそうなことを答えられる気がして(笑)」
師走に入ると、開運ダイアリーのようなものが数多く出版されるが、「こうしてはダメ、それは悪いこと、と叱られているような気分になる」ことに吉本さんはもやもやしていたらしい。
「もっと真っすぐに心に届いて力をくれるようなメッセージを、柔らかい言葉で綴ってみたいと思ったんです」
一節をここに紹介してみる。
〈毎日少しずつ、そうじのしかたを変えてみる。(略)どういうふうにしたら床が心地よいと思ってくれるか。どう磨いたら玄関の取っ手が輝いてくれるのか。人だと思って扱ってみる〉
「2021年は、コロナ禍の状況は少し良くなるでしょうが、気持ちのアップダウンはますますありそうという予感がします。なので、私自身も、さらに思いついた言葉などを自由に加えたりしながら活用したいです」