【歌人・木下龍也の短歌組手】恋人との至福のひとときを短歌に込めて
〈読者の短歌〉
コンビニの与えてくれるでかすぎるカロリーだけが救えたわたし
(ことこ/女性/テーマ「コンビニ」)
〈木下さんのコメント〉
この世にはペヤングソース焼きそば超大盛り(1081kcal)を食べることでしか解消できないストレスがある。爆速で食え。罪悪感に追いつかれるな。
〈読者の短歌〉
君が寝て私が起きて君が起き私が寝てる日曜の午後
(きさらぎ なる/女性/テーマ「恋人」)
〈木下さんのコメント〉
恋人同士にあってもよい唯一のすれ違いかもしれない。
〈読者の短歌〉
前足を犬と交換したんですなんで逃げるんですか先生
(あの井/男性/テーマ「犬」)
〈木下さんのコメント〉
今後は後ろ足、胴体、顔、と交換していって最終的には人間に戻りましょう。
〈読者の短歌〉
夢であう しろいしっぽに 似合う名を
考えたからいつでもおいで
「犬の事世界で一番好きですが、一度も飼ったことがありません。
名前だけは何年も前に決めているのですが…
いつか出会う時のためにこの思いを短歌にしてみました。」
(じんない/テーマ「犬」)
〈木下さんのコメント〉
「しろいしっぽに似合う」ということをヒントにその名前を当てようと思って考えてみました。つくし・しらうお・ミルク・まゆ・バームロール・エリーゼ・つらら・わたがし・シフォン・むく・スヌーピー・はんぺん・えのころ・ゆき・くらうど・(シンプルに)しろ。当たりましたでしょうか。つららちゃんにそのうち出会えるといいですね(←勝手に決めるな)。
木下龍也
1988年、山口県生まれ。2011年から短歌をつくり始め、様々な場所で発表をする。著書に『つむじ風、ここにあります』『きみを嫌いな奴はクズだよ』がある。
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