蜂谷 私は東京メトロ日比谷線で移動する際に、東武の新車70090型に乗れるとうれしいです。やっぱり新車が来るとワクワクします。
土屋 この手の話になると一般のみなさんは引きますよね(笑)。が、これは、クルマ好きが車種の好みを語るのと一緒ですから。電車だって「プリウス」みたいな呼称をつけてあげれば、もっとひろく受け入れられると思う。
蜂谷 確かにそうですよね。鉄道って、本来、親しみやすい存在ですからね。
土屋 その親しんだ車両が、古くなると地方の鉄道に譲られたりする。これもキュンとくるポイントです。特に東急や京王の旧車が遠方で余生を送るケースが多いのですが、それらに再会すると、「お前はここで頑張っていたのか!」と込み上げてくるものがある。
蜂谷 (笑)。鉄道は擬人化しやすい。
土屋 擬人化といえばJR王子駅近くに飛鳥山下跨線人道橋(あすかやましたこせんじんどうきょう)という好きなスポットがあって、ここは京浜東北線、湘南新宿ライン、上野東京ラインが行き交うのを臨場感たっぷりに眺められる。面白いのはここに集まる北方向の電車が今度はみんな大宮に向かって突き進んでいくこと。その光景はさながらアベンジャーズのごとしです(笑)。