避難所で女性を支える必需品。職場に置いておくべきものから口腔ケアまでジャンル別に厳選。
撮影・岩本慶三 文・一澤ひらり
自分の身は自分で守る。誰も助けてはくれない。
職場で災害に遭った時、帰宅せずに会社や近くの一時滞在施設に留まるといった対策が推奨されている。
「職場でスカート姿の時はどうするのか。肌の露出は大ケガの原因になるので、長袖やパンツなどはロッカーに常備しておきたいですね。また、被災時はまず足元の安全を確保したいので、靴下やスニーカーの用意も必須です」(松田さん)
まずは会社の防災対策や備蓄品を確認して、他人と共有できない必需品は自分で常備することがポイントに。一方、避難所でどう過ごすかも気がかり。
「避難所では不安やストレスで体調を崩しやすいし、知らない人と枕を並べて寝ることになるため睡眠を充分にとれません。その上、体育館などの床は硬くて寝づらいので、エアクッション、エア枕などを用意して、体を休める工夫をすることが必要です」(辻さん)
災害時の過度な心身の緊張をやわらげることは健康のために大切なこと。
「アロマオイルの香りは憂鬱な気分を忘れさせてくれます。飴とかチョコレートとか甘いものもリラックス効果がありますよね。癒やしになるものがあるだけで、ストレスは軽減されます。お気に入りのものを手元に」(澁川さん)
災害時にはなるべく平常心を保つことが肝要。そっと自分を励ましてくれるアイテムを揃えておこう。
[お役立ちアイテム]職場
水&携帯できるバランス栄養食
「職場で被災した時に、会社に留まるか、帰宅するかはその時の状況によりますが、携帯できるバランス栄養食や飴、水などは用意しておきましょう。会社の備蓄品も確認してください」(松田さん)
靴下&スニーカー
「災害に遭った時に、割れたガラスが飛び散りモノが散乱した中を、パンプスで歩き回るのは危険すぎます。靴下と運動靴を常備して、徒歩帰宅できる用意をしておきたいですね」(松田さん)
長袖シャツ・パンツ
「私が被災した時はスカートでしたが、ものすごく危なかった。ケガ防止に長袖とパンツ、できれば帽子も備えてください。こうしたアイテムはリュックに入れてロッカーに保管しましょう」(松田さん)
[お役立ちアイテム]危機管理
カップ付きインナー
「ブラジャーとインナーを別々に用意しなくていいので助かります。避難所では下着はなるべく目立たないものにしたほうが無難です。誰が見ているかわかりません。日常生活を取り戻すまでは、女性らしさは封印しましょう。まずは身の安全を最優先に」(辻さん)
ホイッスル
「アメリカの沿岸警備隊などが使用する人命救助のためのウインドストームホイッスルに、ネームプレートや紐をつけたのが『命の笛』。小さな息でも遠くまで音が聞こえます」(澁川さん)。
大判ストール
「防寒になるし、着替えやトイレなど、周囲の目が気になる時は目隠しになります。しかも三角巾にもなり、多用途に使えるので重宝します。落ち着いた色合いなら目立ちません」(澁川さん)
体温計
「避難所は限られたスペースでの共同生活になるので体調を崩しやすく、感染症のリスクも高まります。基本のキですが、体温測定を行うことで異常を早期に発見することが可能です」(辻さん)