くらし

プロに聞く、日常防災の極意。新型コロナ対策も考えて。

国際災害レスキューナースの辻直美さんに話を聞きました。
  • 撮影・岩本慶三 文・一澤ひらり
辻 直美(つじ・なおみ)さん●国際災害レスキューナース。阪神・淡路大震災を機に災害医療の道へ進み、25年の実績を持つ防災のスペシャリスト。著書に『レスキューナースが教えるプチプラ防災』(扶桑社)。

阪神・淡路大震災、東日本大震災などの大地震に、大型台風や記憶に新しい今年7月の豪雨といった水害も年々激化。緊急避難を余儀なくさせられる状況が増えつつある。

「いまや自然災害は日常の出来事。しかも新型コロナウイルスの目に見えぬ脅威も加わって、少しの油断もできません。常に防災を意識して、日ごろから備えておくことが大切です」

と指摘するのは国際災害レスキューナースとして災害現場で救助活動をしている辻直美さん。いまだに多くの人が防災を勘違いしているという。

「非常持ち出し袋や防災グッズを買うと安心してしまうんです。中身をチェックせずに放置しているので、賞味期限も把握できていない。これではいざというとき、なんの役にも立ちません」

防災はすでに日常の延長線だから、家にあるものでなんとかする。その知恵と工夫こそが肝心、と辻さんは言う。

「防災に役立つアイテムは、家にあるものでほぼまかなえます。ラップ、ゴミ袋、布ガムテープといったものは多用途に使える万能アイテムだし、足りないものはたいがい100円ショップで手に入ります。お金はかけるべきところだけにかけて、あとはリーズナブルにすませる。そうすれば防災のハードルは高くありません」

家にあるものを見直して、防災に役立てていく。それが日常防災の極意。非常持ち出し袋には最低3日分を想定して入れておきたい。辻さんにいま用意すべきアイテムを教えてもらった。

辻さんの「非常持ち出し袋」の中身。厳選しているので一般に推奨されているものより少なく、女性でも背負える。
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