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髪は、誰もが生まれもっている唯一のアクセサリーだと思う――須賀勇介(ヘア・デザイナー)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、伝説的なヘア・デザイナーの言葉を読み解きます。

文・澁川祐子

髪は、誰もが生まれもっている唯一のアクセサリーだと思う――須賀勇介(ヘア・デザイナー)

1979年5月10日号「クロワッサンインタビュー」より
1979年5月10日号「クロワッサンインタビュー」より

須賀勇介さん(1942-1990)は、1960年代にニューヨークに進出し、世界的に活躍したヘア・デザイナー。ダイアナ・ロスをはじめ数々の著名人のヘアを担当し、黒柳徹子さんの「たまねぎヘア」を考案したことでも知られています。

日本女性の髪型について尋ねられた須賀さんは、日本の女性はユニフォームが好きなのか、流行へ右へならえだと残念そうに語ります。そして出てきたのが、今回の名言です。この言葉には、唯一のアクセサリーなのだから、もっと自由にヘアスタイルを楽しんだらいいのに、という思いが込められていることが、続きの発言からわかります。

〈流行をうのみにしないで、私は私という気持ちがあっていいんじゃあないかな。自分の髪の質をもっとよく知り、服とのバランスを考えて、自分に合った個性的なスタイルを工夫して欲しいですね〉

考えてみれば、たしかにヘアスタイルは、もって生まれた身体のなかで、手軽に手を加えられて、なおかつ印象をがらりと変えることもできるところ。積極的に楽しんだほうがいいに決まっています。この言葉を最初読んだとき、外すこともできず、つけっぱなしというわけにもいかない、なかなか手のかかるアクセサリーだな……と、とっさに思ってしまった自分を反省です。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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