須賀勇介さん(1942-1990)は、1960年代にニューヨークに進出し、世界的に活躍したヘア・デザイナー。ダイアナ・ロスをはじめ数々の著名人のヘアを担当し、黒柳徹子さんの「たまねぎヘア」を考案したことでも知られています。
日本女性の髪型について尋ねられた須賀さんは、日本の女性はユニフォームが好きなのか、流行へ右へならえだと残念そうに語ります。そして出てきたのが、今回の名言です。この言葉には、唯一のアクセサリーなのだから、もっと自由にヘアスタイルを楽しんだらいいのに、という思いが込められていることが、続きの発言からわかります。
〈流行をうのみにしないで、私は私という気持ちがあっていいんじゃあないかな。自分の髪の質をもっとよく知り、服とのバランスを考えて、自分に合った個性的なスタイルを工夫して欲しいですね〉
考えてみれば、たしかにヘアスタイルは、もって生まれた身体のなかで、手軽に手を加えられて、なおかつ印象をがらりと変えることもできるところ。積極的に楽しんだほうがいいに決まっています。この言葉を最初読んだとき、外すこともできず、つけっぱなしというわけにもいかない、なかなか手のかかるアクセサリーだな……と、とっさに思ってしまった自分を反省です。
※肩書きは雑誌掲載時のものです。