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男の価値観の目安は、その男に女性蔑視があるかないかで決めている――田辺聖子(作家)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、鋭い観察眼をもつ作家の言葉から、男女の関係に思いをめぐらせましょう。

文・澁川祐子

男の価値観の目安は、その男に女性蔑視があるかないかで決めている――田辺聖子(作家)

1979年4月25日号「田辺聖子の『女のグチ・皮肉・泣きごと』」より
1979年4月25日号「田辺聖子の『女のグチ・皮肉・泣きごと』」より

前回(結婚ってしゃべり合える相手にめぐりあうことが大切)に続き、作家の田辺聖子さん(1928- 2019)の言葉を紹介します。エッセイの引用とインタビューの言葉を行ったり来たりしながら、女と男について考える誌面。そのなかでいちばんグッときたのが、今回の名言です。

女性蔑視があるかないかで、男の価値が決まる。どんなに鋭い評論家であろうとも、女性蔑視がぬけない男は信用しない。そうきっぱりと田辺さんは言い放ちます。

「いい男の条件」を語るのに数々の言葉が費やされていますが、これほどまでに納得できるフレーズに出会ったことはあるだろうかと思ったほど。この言葉が、いまから40年以上前に語られたことを考えると、なおさらその洞察力にほれぼれします。

しかし、単に男を天秤にかけるだけで終わらないのが田辺さん。〈男はおかあさんの躾とか周囲にいい人がいるとかが、大人になってずいぶん影響してくるものと思う〉と語るように、男性の女性蔑視は、身近な女性によっても再生産されることが暗に指摘されています。

前回、結婚は〈しゃべり合える相手にめぐりあうことが大切〉という田辺さんの言葉を取りあげましたが、しゃべり合える関係というのは、互いを尊重していればこそ。そんな関係をどれだけ自分のまわりで築けるか。女性自身が自覚的になることが、状況を少しずつでも変えていく力になるに違いありません。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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