くらし

女優の藤田朋子さんに聞くゴミ縮小術。ごみのスリム化のためにできること。

女優の藤田朋子さんに、自慢のゴミ縮小術について取材しました。
  • 文・知井恵理

どんな形や素材のゴミも「薄く、平たく、小さく」が基本。

藤田朋子(ふじた・ともこ)さん●女優。バラエティー番組でゴミの解体について紹介され話題に。ゴミ解体インスタグラム(@tokoeco)でも多数公開。公式ブログ「笑顔の種と眠る犬」も日々更新中。

お菓子の個包装は細く小さくまとめ、割り箸や焼き鳥の串は折って紙で包む。高さのあるプラ容器は、平面状になるように切り分けてプラ袋に詰める、など独特の方法でゴミを捨てる藤田朋子さん。すべてに共通するこだわりは、なるべく小さくして捨てることだ。

「ゴミ箱に無駄な空間ができるのが嫌で、隙間なくおさめたいと思ったのがきっかけです。ゴミを切ったり重ねたりする途中に、偶然アーティスティックな模様や形ができるのも面白くて、エコというより楽しんでいます(笑)」

とはいえ、ゴミを小さくすることが、スリム化につながっているのも事実。350mlのアルミ缶も、藤田さんの手にかかれば瞬く間に薄い板状に変身。「これでLサイズのレジ袋に約120缶入ります。45Lのゴミ袋を使うのは20人規模のホームパーティーくらいですが、すべてのゴミを合わせても3袋程度に収まります」というから驚き。

出っ張りをなくし、切り離し、剥がしてたたんで、厚みを揃える。

そんな自分流のゴミ縮小術のコツは、できるだけ薄く、平たく、小さくするように心がけるだけ、と藤田さん。

「かさのある立体的な容器は、高さや出っ張りをなくすようにカットした後、さらに細かく。仕切りのあるプラトレーは、切り離して重ねる。紙箱は開いてたたむだけでなく、紙が2枚重なっていたら剥がしてなるべく薄く。たくさん重ねられるよう、できるだけ大きさや厚みを揃えるのがポイントです」

幸いなことに、商品のパッケージは年々進化を遂げ、どんどんコンパクトにまとめやすくなっている。

「たとえば、固くてつぶれなさそうなポテトチップの紙筒は、底面にミシン目が入り、手で簡単に解体できるようになりました。そうした工夫を見ると、企業努力に応えたくなりますね(笑)」

藤田さんの解体意欲は増す一方に。こうして、さまざまなゴミを小さくしてきたからこそ、小さくするだけではいけないと学んだこともある。

小さくしすぎると増えるゴミも!? 縮小術の意外な罠、あるある。

「発泡スチロールは、小さくしすぎると逆にかさばるので、高さや出っ張り部分をカットすることに重点を置くといいですね。プラゴミは、たくさん種類があってリサイクルの用途が違うので、どんな種類か判別できるように手のひらサイズに留めること。あと、汚れがひどいプラゴミは可燃ゴミに捨てる思い切りも大切です。資源ゴミに回すために大量の洗剤と水を消費して油を流すのも、何か違うでしょう? 薄く小さくしたら、潔く燃えるゴミへ!」

ゴミの分別や小さくすることに夢中になりすぎて、分別のそもそもの目的や、出したゴミの“その先”を忘れてしまっては本末転倒。

「ゴミを回収する人やさらに細かく分別する人、環境全体への思いやりも持ちつつ、楽しんでもらえたら」

ゴミを解体するときは、尖った部分を作らないような配慮もしている。

「たとえば、プラゴミをカットするときは、斜めではなく、なるべく直角にハサミを入れる。そうすると、切り口が鋭角にならず、自分と回収する人、両方のケガ防止につながります。割り箸や焼き鳥の串を、折った後に紙でまとめるのも同じ理由です。尖ったゴミが出たら空き袋にまとめると、ゴミ袋が破れる心配もなく安全です」

あとは実践あるのみ。難しく考えすぎず、遊び感覚で楽しみながらゴミを小さくするのがいちばん、と藤田さん。

「ゴミが隙間なくおさまっていくのは、爽快そのもの(笑)。自分が楽しむと、家族も分別に興味を持ってくれるようになり、いい循環もできると思います」

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