一回作ったものを展開しておいしく食べつなぐ、を意識的に。【牧田敬子さんの家ごはんと家時間】
日々の買い物、料理にもいつもとは違う工夫を加えていた、牧田敬子さん。
「たびたび買い物に出なくても済むように、肉類はかたまり、刺身はサクで買い求め、鮮度のいいうちに茹でたり煮たり、締めたりと調理し、それを数日間展開させて食べていました。スーパーで加工食品などは品薄気味でしたが、生鮮食品は意外と豊富でしたので、普段どおり、なるべく旬のものを味わうように心がけましたね。また日持ちのことを考えるとどうしても肉料理に偏りがちだったので、食物繊維不足にならないよう、白米には胚芽押し麦をたっぷり混ぜて炊いていました」
都会に住む生活の中でのうれしい変化もあったそうで、
「今までは朝、自動車や機械の音で目が覚めることが多かったのですが、街が静かな期間は日々、鳥の鳴き声で目が覚めたことが新鮮でした」
かけるだけ、あえるだけの香味だれがあれば安心。
セロリ、長ねぎ、生姜をみじん切りにして米酢と醤油、少量の砂糖、白ごまを混ぜ合わせたら、香味野菜の酢醤油だれの出来上がり。冷蔵庫にこれがあればシンプル料理がランクアップ。麺や豆腐、肉、魚に万能です。
香味だれの活用1、 冷やしワンタンにかける。
鶏ひき肉に醤油と砂糖少々、片栗粉を混ぜてワンタンの皮で包む。それを茹でたら氷水にとって冷やし、香味だれをかけていただきます。ひんやりつるんとした食感で、食欲減退しがちな夏にぴったりな一品。
香味だれの活用2、 淡白な焼きなすがごちそうに。
薄めに切ってさらに表面に切り込みを入れたなすを油で焼いたら、香味だれを上にのせて。ほかにもこの香味だれ、ちぎったレタスと海苔などのサラダのドレッシングとしても活躍。なんでもおいしくしてくれます。
焼豚は季節の野菜とも好相性。 例えば、そら豆と。
サイコロ状に切った焼豚と半割にした生のそら豆を、ごま油少々で炒めました。ほかに、細かく切ってみじん切り青ねぎと共にご飯にのせて丼にしたり、チーズと共にパンに挟んでトーストサンドにしたりと焼豚を活用。
焼豚を一本仕込んだあとは、展開料理を楽しみます。
作っておくと何かと便利な焼豚。そのまま食べたら、次は様々な料理に応用します。焼豚をスライスしてフライパンに並べ、脂が出てきたら卵を割って落とし、好みの加減まで火を通すと焼豚エッグの出来上がり。
つまみもいろいろ作りました。 ひじきはボリュームを持たせて。
乾物は、買い物に行けない時などに便利な食材。例えばひじき、あっさり煮るのもいいのですがお酒のつまみにひと工夫。牛肉の切り落としと合わせてきんぴら仕立てに。小皿の量でも満足感が得られます。
『クロワッサン』1025号より
広告