カンボジアのエビのブラックペッパーソース【口尾麻美さんのアジアのスパイス料理レシピ】
食品の保存性を高めたり、味わいに彩りを添えるものとして、世界中で欠かせないスパイスの力。アジア各地で根付いた料理を口尾麻美さんに教えてもらいました。
撮影・黒川ひろみ 文・大澤千穂
【カンボジア】エビのブラックペッパーソース
黒こしょう
ピリッと力強い香りで洋の東西を問わす重宝されるスパイス。こしょうの実を収穫後に熟成させたもので、白こしょうとは収穫期や製法が異なる。インド、カンボジアなど熱帯に産地が広がる。
黒こしょう産地カンボジアの爽やかな万能ソースが味の要。
黒こしょうにレモン、塩だけで作る爽やかなソースがエビの甘みを引き立てる。「誰もが知る3つの調味料も、合わさると驚くほど新鮮な味になりますよ」。味の決め手はやはり、挽きたての黒こしょう。「パンチのある香りはエビだけでなく鶏肉や魚介全般、幅広い食材と合います」
【材料(2〜3人分)】
エビ(ブラックタイガー殻付き)10〜12尾
ソース[黒こしょう(挽いたもの)大さじ1/2 レモン(またはライム)汁大さじ3 塩適量]
きゅうり適量(薄切り)
【作り方】
1.エビは竹串で背わたを取り、レモンの輪切り2枚(分量外)を浮かべた湯でさっとゆでる。ソースの材料を混ぜ合わせておく。
2.エビときゅうりを皿に盛り、ソースを添える。
街角や家庭で愛されるローカルの味を、手に入りやすい食材で。
「消化力を上げるクミンや体を温める八角はじめ、生薬の力が日々の食に根付いているのが、中華圏や東南アジア料理の魅力のひとつ」
と語る口尾麻美さん。今回伝授してくれたのは、日本でも手に入る食材で簡単に作れる各国のローカル食。
「スパイスには素材の味を引き出して深みをもたらす、優れた調味料としての一面も。身近な食材がスパイス一つで新鮮な味に変わります」
高温多湿な日々を乗り切るアジアの知恵を、ぜひこの夏の食卓に。
『クロワッサン』1023号より