長塚 将来的には、演劇を見たことがない人たちを劇場に呼ぶ仕掛けを地道に考えて、この場を開かれた状態にもっていく必要があると思っています。昔の芝居小屋じゃないけれど、「なんかやってるな」って気楽にのぞきに来れるような。どんなにこの難局を乗り越えて再開したからといって、そんなにいい未来が待っているはずはないんです。それよりみんな居酒屋やボウリング場とか、もっと楽しいところに分散していく。けれど、そうした場所と同じぐらい開けた場になるようにもっていきたいですね。
パックン 14世紀のペストの後、ヨーロッパではイタリアを中心にルネサンスを迎え、文化的な復興を遂げます。今回のコロナの後も、そうした可能性はあると思いますよ。
長塚 この厳しい状況下で来年以降の企画を考えるにしても、なんとしてでもやりたいと思うものだけが残るでしょうね。過去の作品も見直して、一つ一つの作品の輪郭をクリアにしていく必要があると思うんです。やる側の表現の質、それから見る側の感度も上がることがわかっているから。
パックン 確かに! 1年ぶりの舞台となれば、それはもう磨きに磨かれていると。みんながものすごい期待するからハードル高いぞ!