「“これを買おう”と決めてから探しに行くことはないけれど、普段の生活の中で出合った“いいな”と思うものは、何かに使えるかもしれないので、写真に撮るなどして記憶にとどめておくようにしています」
と話す相場正一郎さん。心惹かれるのは、老舗が手がけるものや、メーカーのものでも長く愛されてきたもの。特に気に入ったものは自分の店で販売することもあるという。
「素材もフォルムも変わらないままに作られているので、どこか、いい意味で〝もったり〟しているところがいいんです。自宅やお店はそういうアイテムで統一されていて、だからこそ、中古を買ってもあまり違和感がなくなじむんだと思います。新しいものは、車もそうですが、どうしても今っぽいスタイルになってしまいますから。また、名品が作られた当時のことを探るのも楽しいですね。物の色や素材感というより、作られた時代や背景で選ぶことを大切にしています」
そんな物への愛情とこだわりが、落ち着く空間を作り出している。