くらし

週末はキャンピングトレーラーで必要最低限のもので暮らす。

年齢を重ねたからこその居心地よい空間作りのメソッド、そして必要最低限のものだけに囲まれて過ごす時間について、写真家・小林キユウさんが語りました。
  • 文・一澤ひらり
小林キユウ(こばやし・きゆう)さん●写真家。1968年、長野県生まれ。ブログ「小さな森暮らし。週末の八ヶ岳から」で美しい写真とともに静かな森の生活を綴っている。

週末、八ヶ岳の山麓でキャンピングトレーラーの暮らしを満喫している写真家の小林キユウさん。

「山が好きで森の生活に憧れていたんです。5年前に80坪の別荘地を購入して、2年前からキャンピングトレーラーを引き入れて、週末に通っています。自分で小屋を建てるより簡単だし(笑)」

仕事柄、住まいは撮影機材などにあふれ、なかなか断捨離できない。

「50歳目前になって、都市で暮らす僕には日常を一時的に離れ、自分自身を見つめ直す非日常的な時間と空間が必要だと思ったんです。だからここには最低限のものしか置きません」

ひとりでふらっと行くこともあれば、妻と娘を伴って訪れることも。
「コーヒーを淹れて森を眺めながら、静かに座っているだけで充足します。何もない空間にいると日頃いかにモノに縛られているかを痛感しますね」

キャンピングトレーラーは置きっぱなし。驚くのはその窓の広さ、明るさ。窓の景色はそのまま一枚の絵画のよう。
標高1000mの高原地帯、八ヶ岳連峰を間近にのぞむ。
木立に溶け込む、仏製のキャンピングトレーラー。
スマホとワイヤレスキーボードがあれば、森も書斎に。

空間自体の狭さは問題ではない。大切なのは余白の美と豊かさ。

キャンピングトレーラーは国産がほぼないため、フランスメーカーの中古を100万円ほどで購入。

「全長は4mぐらいで、広さは10平米ほどの狭小空間ですが、フランス製だけあって内装はシックで落ち着いています。ダイニングは開放感があるし、キッチンはシンクの下が冷蔵庫になっていて使い勝手がいい。しかもクローゼットやトイレ、ちゃんとした2段ベッドもある。余分なものが一切なく、コンパクトにまとまっているので実に快適ですね」

見てのとおり、スッキリとした空間で、ほとんどモノが置かれていない。余白が美しく映える。

「森の中にいると、過剰なものを排したくなる。僕も妻も山登りが好きでキャンプに慣れているので、不便さを楽しみたいんですよね。なければないで工夫するし、そのほうが面白いですから」

ミニマムな空間だからこそ、豊かな時間が広がっていく。

キッチンは三ツ口コンロで調理しやすく、シンクも小さいながら使い勝手は充分。
キッチンの奥には2段ベッド。寝転んで車内の窓から満天の星空を眺められる。
ダイニングは3面窓に囲まれ、陽光が降り注ぐ。森の気配を感じることができる。
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