けれどあれもこれもと挙げれば挙げるほど、「じゃあこれは言われてないからいいの?」「ではそれも禁止」と、いたちごっこにおちいりかねません。しかもお客さまを窮屈な気持ちにさせてしまうおそれもあります。音楽会やお芝居では女性のやわらかな口調にしたり、出演者がコミカルに伝えたり、工夫をこらす公演も多いですね。
落語会では、修業中の前座がアナウンスを担当することも多いのですが、その姿勢も人それぞれですね。決まった原稿をサラーっと流し読む子もいれば、アナウンサーを目指すのかと思うくらいかっちりしゃべろうとする子、内容をしっかり伝えようとたどたどしくも真摯に話す子もいるし、たどたどしいにも程がある子も……。お客さまも噺家も楽しい落語日和、そんな芸人になれるには、開演前の顔も名前も出ない放送でも楽しんだり生かせたりするかなんてコトも、きっかけのひとつになるんじゃないかなぁ。