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大阪人は歩いて節約、食べて節約。弁護士・山岸久朗さんの節約ワザ。

円満な相続のための弁護を得意とする大阪出身の弁護士は、意外にも不動産投資より、歩いて節約、食べて節約の堅実派です。

撮影・山本ヤスノリ 文・室田元美

山岸久朗(やまぎし・ひさお)さん●弁護士、コメンテーター。愛称はヤマベン。TBS『グッとラック!』(木曜レギュラー)ほか出演。著書に『勝つ相続 揉めない遺言書の書き方、伝授します』(ワニブックス)。
山岸久朗(やまぎし・ひさお)さん●弁護士、コメンテーター。愛称はヤマベン。TBS『グッとラック!』(木曜レギュラー)ほか出演。著書に『勝つ相続 揉めない遺言書の書き方、伝授します』(ワニブックス)。

バラエティや情報番組で引っ張りだこのナニワの熱血弁護士、山岸久朗さん。じつは、節約上手だとのうわさが。

「特別なことはやっていないですよ。リスクのある投資なんかにも手を出しません。失敗した人から相談を受けて、つい自分も慎重になるんでしょうね。しいていえば岸和田市への『ふるさと納税』かな? 野菜や卵がもらえて家計の足しになる、と家族も喜びます」

気に入ったものは、修理してとことん使い尽くすという習慣がある。

「ふだん着はユニクロが多いですが、時計やバッグ、靴はいいものを買って長く使います。毎日たくさん歩くので、軽くて収納力もあるプラダのリュックが手放せません。剥がれたポケットを今、修理に出しています。靴も買ったお店でソールを張り替えて、ダメになるまで履き倒します。長い目で見ると節約になっているかもしれません」

山岸さんはグルメサイト「食べログ」で自身のページを持ち、連日グルメ紹介をしている。毎日の外食生活で安くて美味しいもの探しに執念を燃やす。

「ぼく、大阪人ですから。いくら美味しくても高いと感じたら入りませんわ。宴会もそう。カニづくしで3,000円やったら行くけど、ふつうのモン食べて5,000円だと断る時もあります」

交通費のように、その時々の判断と習慣、心がけで節約できるものには、お金をかけないのもポリシーだ。

「飛行機はエコノミークラスで充分。電車もなるべく乗らない。大阪、東京でも5駅ぶんは平気で歩きます。気づいたら歩きすぎてジーンズの股のところ、生地がうすーくなってた(笑)。タクシーなんて贅沢で、よう乗りません」

毎食、毎食を楽しみに。安くてうまいもの限定。

たまにはカウンター席でお寿司を楽しむ。
たまにはカウンター席でお寿司を楽しむ。
朝食はジュース、ヨーグルト、サラダ、フルーツ。
朝食はジュース、ヨーグルト、サラダ、フルーツ。
美味しいものにたどり着き満足顔の山岸さん。
美味しいものにたどり着き満足顔の山岸さん。
大阪マルビル『味仙』の台湾ラーメン680円。
大阪マルビル『味仙』の台湾ラーメン680円。
好物の東京・赤坂『室町砂場』の蕎麦。もり650円。
好物の東京・赤坂『室町砂場』の蕎麦。もり650円。
神戸元町「順徳」のネギ汁そば700円。
神戸元町「順徳」のネギ汁そば700円。
たまにはカウンター席でお寿司を楽しむ。
朝食はジュース、ヨーグルト、サラダ、フルーツ。
美味しいものにたどり着き満足顔の山岸さん。
大阪マルビル『味仙』の台湾ラーメン680円。
好物の東京・赤坂『室町砂場』の蕎麦。もり650円。
神戸元町「順徳」のネギ汁そば700円。

365日外食をする。日本全国の仕事先で安くて美味しいものだけを探し歩き、「食べログ」のグルメ著名人ページ「山弁のぐるぐるグルメツアー」で紹介。フォロワーは8300人を超える。

着倒し、履き倒してこそ。愛用品は結果、節約に。

革靴は、買った店に持ち込んで靴底を張り替えてもらい、長く履く。
革靴は、買った店に持ち込んで靴底を張り替えてもらい、長く履く。
大阪人は歩いて節約、食べて節約。弁護士・山岸久朗さんの節約ワザ。
キャラクターもののTシャツが好き。長く愛用中の一枚。
キャラクターもののTシャツが好き。長く愛用中の一枚。
革靴は、買った店に持ち込んで靴底を張り替えてもらい、長く履く。
大阪人は歩いて節約、食べて節約。弁護士・山岸久朗さんの節約ワザ。
キャラクターもののTシャツが好き。長く愛用中の一枚。

おしゃれは好きだがブランドにはこだわらない。「ふだん着はTシャツとジーンズ。ユニクロのプリントTシャツが好きで擦り切れるまで着倒します。靴やバッグ、時計はいいものを買って修理し、長く使います」

一日300円生活で身についた、どこまでも歩ける習慣。

「これはたぶん、若き日の極貧生活がDNAにしみついているんでしょうね」と山岸さんは振り返る。

節約の原体験は25〜28歳の時。法学部を卒業後、いつか弁護士にと思いつつ海外放浪とアルバイト生活をしていたが、25歳で「これではアカン!」と司法試験合格をめざし猛勉強を始めた。

「『しばらくスネをかじらせて』と親に頼み込んで、朝早くから大阪・梅田の自習室に通ったんですが、母親はお弁当を持たせて、一日300円のおこづかいをくれました。夜は梅田から移動して新大阪での講座へ。夕食の菓子パンを買うと電車賃がなくなる。仕方なく淀川を越えて1時間歩きましたね」

この時に身についた歩く習慣が、今では健康の秘訣になっている。

「いちばん大事なのは健康ですよ。弁護士って体力勝負なんです。裁判で勝つためには風邪も引いていられません。頭もスッキリ冴えてないとね。ぼくは夜11時に寝て、朝は6時には起きてスポーツジムに通います。夕食や宴会にもよく誘われますが、夕食は夜9時までに終えると決めていて、2次会、3次会はどんなに楽しくても行きません」

健康第一。おかげで医者いらず、薬いらず。「ぼく、医療費ゼロですよ」。それは、究極の節約かもしれない。

赤坂から銀座まで歩く。飛行機はエコノミークラス。

イルミネーションなど街の風景を楽しみながら。歩く距離は気にならない。
イルミネーションなど街の風景を楽しみながら。歩く距離は気にならない。
エコノミークラスに座った姿を自撮り。「機内全体を写せてなくてスンマセン!」
エコノミークラスに座った姿を自撮り。「機内全体を写せてなくてスンマセン!」
イルミネーションなど街の風景を楽しみながら。歩く距離は気にならない。
エコノミークラスに座った姿を自撮り。「機内全体を写せてなくてスンマセン!」

「移動にお金をかけない」のが若い頃からのポリシー。テレビ局のある赤坂から、麻布や銀座へもタクシーや地下鉄に乗らずに徒歩で移動。飛行機も、「ビジネスクラス? もったいない!」。

山岸久朗さんの、お金&人生年表

●1993年(22歳)
大学卒業。弁護士を目指すも、アルバイト、海外放浪など自由な生活をする。

●1996年(25歳)
アルバイトをやめ勉強に専念。親のスネをかじり、一日300円の生活で約3年間過ごす。

●2000年(29歳)
司法試験合格。

●2002年(31歳)
大阪弁護士会に弁護士登録。

●2007年(36歳)
山岸久朗法律事務所開設。

●2008年(37歳)
読売テレビ『たかじんのそこまで言って委員会』でテレビデビュー。

●2011年(40歳)
毎日放送『せやねん』(土曜朝9時25分〜)に法律解説で出演。

●2015年(44歳)
朝日放送『おはよう朝日です』(月曜朝6時45分〜)にレギュラー出演。

●2018年(47歳)
食べログ「グルメ著名人」レビュアーに。

●2019年(48歳)
TBS『グッとラック!』(月曜〜金曜朝8時〜)に木曜レギュラー出演。

『クロワッサン』1014号より

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