与論島、鳥取、愛知、スペイン……発酵文化を訪ねて、国内外へ。【井澤由美子さん】
見たことのない景色に出合い、多様な食や文化に触れて、自由な心になる。生きる喜びを満喫できるおすすめの旅を、旅上手の井澤由美子さんに聞いた。
文・長谷川未緒
その土地に合った食材で作られた発酵食を、その土地で食べることには、特別なおいしさがあるのだとも。スペインでは、人生最高のアンチョビや鰯料理に出合っている。
「新鮮な鰯をシンプルに調理し、その感度は日本人に負けないほど繊細。火入れや旨味を閉じ込める技や心意気がおいしさに直結していました」
世界を股にかけた発酵食を探求する旅は、まだまだ続いていきそうだ。
「各地の発酵食や伝統料理と向き合うことは、健やかな生き方を実現するための未来と向き合うことだと考えています。食文化の歴史を知り、受け継ぎ伝える発酵保存食を巡る旅に終わりはありません」
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