特別という意味では「初天神」という噺。本来一月下旬と時期を想定した季節ネタなんですが、親子がああだこうだと言い合いながらもほほえましいドタバタ劇という、普遍的な内容のおかげでしょう。一年中寄席や落語会で演じられない日はないくらい、おそらく上演頻度の高さではベスト3に入る人気演目です。
そして何といっても冬の噺は「時そば」「うどん屋」「二番煎じ」「ふぐ鍋」など、食べ物やお酒で胃袋を刺激する噺が多いんですね。
そんな噺を堪能してから、寒い表へと出る。街中の看板を見て、思わず「あたたかいそばを食べて、帰ろうか」「鍋をつつきながら、一杯やろう」……。そんな気分になっていただけたら、落語日和以上の最高にぜいたくな一日になること請け合いです。