ワタナベマキさんに教わる、いりこの見分け方といりこだしの作り方。
いりこは西日本で煮干しのこと。特に高品質で味の良い瀬戸内海産は人気。手間がかかり、使いづらいイメージを覆す、いりこだしとその活用例を紹介。
撮影・小林キユウ 文・斎藤理子
ずっと鰹節派だったワタナベマキさん。ところが瀬戸内海産のいりこに出合い、一から教わって取っただしのすっきりとした力強さや、深い味わいにすっかり魅了されてしまったのだそう。以来、日々のだしはいりこが中心に。
「内臓とエラをきちんと取り除き、から炒りすれば、臭みや苦味はまったく無くなります。1回分、ひとり2〜3本でいいので、実はたいした手間ではないんです。時間があるときにまとめて下処理をしておくと楽ですよ」
カルシウムや、DHA、EPAなどの不飽和脂肪酸も豊富。だしがらもいろいろな料理に使え、余すところなく食べられるいりこを、ぜひお試しあれ。
良いいりこの見分け方
●きれいな青みがかった銀白色。黄色っぽく変色していない。
●口が開いているのは新鮮なもの。身はまっすぐよりも「へ」の字形。
●背や腹が破れておらず、尾までしっかりしている。脂分が少なく、ほどよく乾燥している。