くらし

さばの煮付け【小林カツ代さんの家庭料理のレシピ】

本誌にも度々登場し、家庭料理の奥深さを伝えてくれた小林カツ代さん。受け継ぎたいレシピをその名文句と共に一番弟子・本田明子さんに教わります。
  • 撮影・三東サイ

「煮魚はスピード料理。いつまでも煮ちゃいけません」

「先生に教わった中で、衝撃的だったことのひとつが煮魚の調理法。それまで手間も時間もかかって面倒だと思っていたのに、『煮魚こそ、スピード料理よ』と。目から鱗が落ちました」

あっという間に出来上がるうえ、身はふっくらジューシー。薬味の生姜にも一家言。「買って日が経った魚は生姜を加えて煮るけれど、新鮮なら針生姜を添えれば充分」が小林流。(料理研究家の本田明子さん)

 

白飯が止まらなくなる濃い口の味。

さばの煮付け

【材料(2人分)】
さば2切れ 煮汁[水3/4カップ 酒¾カップ 砂糖大さじ1/2 醤油大さじ2 みりん大さじ2] 針生姜適量 ごぼう適量 小松菜適量

【作り方】
1.
付け合わせの野菜を準備する。ごぼうは皮をむいて斜め2~3cmの薄切り、小松菜はよく洗って、それぞれ好みの硬さにゆでる。小松菜は冷めたら2~3cm長さに切る。
2.さばは調理する20~30分前に冷蔵庫から出して常温に戻し、キッチンペーパーなどで水気をふく。
3.鍋に煮汁の材料を入れて強めの中火にかけ、フツフツしてきたら、皮に切れ目を入れたさばを並べ入れる。切れ目は入れても入れなくてもよい。
4.ときどき煮汁をさばに回しかけながら10分ほど煮る。クッキングシートや木蓋などで落とし蓋をするとよい。器に煮汁ごと盛りつけ、針生姜をのせ、ゆで野菜を添える。

【カツ代さんのコツ!】

さばは常温に戻してから調理する。煮る時間が短くて済み、その分やわらかく仕上げられる。

《生姜の使い分け》

「生姜は横縞シャツを着ていると考えよ」とはカツ代さん。煮魚に加えるなら生姜は皮の縞に沿って輪切りに。繊維が断ち切られ食べやすい。
針生姜は、繊維に沿うよう縞に垂直に切ってから千切り。
小林カツ代(こばやし・かつよ)さん●料理家、エッセイスト。1937年、大阪府生まれ。2005年にクモ膜下出血で倒れるまで本誌に度々登場。読者の人気も高かった。’14年逝去、享年76。
本田明子(ほんだ・あきこ)さん●料理研究家。1962年、東京都生まれ。短大卒業と同時に小林カツ代さんに師事。近著に『一生食べたいカツ代流レシピ』(文春新書)がある。

『クロワッサン』1005号より

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