時間が経過しても懐メロにならない、普遍性をまとったポップミュージックは、何が特別なのか――。
そのヒントを竹内まりやさんの作品に見つけられる。失った恋を描いても、許されざる愛を描いても、どこかに希望が感じられるのだ。希望は色褪せない。だから、1970年代、’80年代の曲も今が感じられる。かつてそんな感想を伝えたら、本人にはとくに意識はなく、気づくと歌に希望が盛り込まれているそうだ。
「でき上がった曲を並べて、結果としてどの作品にも希望が見えるとしたら、それは私の性分というか、人生観のせいかもしれません」
音楽は生き物。作り手や歌い手の生き方がどうしても音に表れる。