くらし

シャネル・ネクサス・ホールで、ヴァサンタ ヨガナンタン写真展「A Myth of Two Souls」を開催。

シャネル・ネクサス・ホールでは9月3日(火)から9月29日(日)まで、フランス人フォトグラファー ヴァサンタ ヨガナンタン氏の日本初個展「A Myth of Two Souls 二つの魂の神話」を開催する。

現実とフィクションを行き来する叙事詩的な世界

Longing For Love, Danushkodi, India, 2018 ©Vasantha Yogananthan
The Crossing, Madhubani, India, 2014 ©Vasantha Yogananthan
Secret Door, Avani, India, 2016 ©Vasantha Yogananthan
Magic Jungle, Jog Falls, India, 2016 ©Vasantha Yoganantha

ヴァサンタ ヨガナンタン氏は1985年生まれ、パリ在住。2015年にマグナムフォトアワードを受賞し、2017年にはICP(国際写真センター)インフィニティアワードに輝いた注目のフォトグラファーだ。彼の作品は、ドキュメンタリーとフィクションの間にある世界を探求している。
自然光にもとづく特有のカラーパレットを展開し、「A Myth of Two Souls」(2013—2019)プロジェクトでは、地元のインド人画家と協働して伝統的な手彩色を復活させた。

Rama Combing His Hair, Ayodhya, India, 2015 ©Vasantha Yogananthan

「A Myth of Two Souls」は、紀元前300年頃に詩人ヴァールミーキが編集した『ラーマーヤナ』に着想を得て制作。『ラーマーヤナ』はヒンドゥー教の聖典の一つであり、『マハーバーラタ』と並ぶインド二大叙事詩。現在もインド、東南アジアでは書物だけでなく舞台、コミック、TVドラマなどさまざまなメディアを通し親しまれている。
物語の登場人物は王国から14年間追放されたアヨーディヤーの王子ラーマと、その妃シータ。国を追われて暮らしているうちに、シータはスリランカの王ラーヴァナにさらわれてしまい、これを機に二つの王国は戦争に突入することになる。
『ラーマーヤナ』は古典的な叙事詩、恋物語、誘拐、戦争であると同時に哲学的な物語でもある。ヨガナンタン氏は、2013年からインドを北から南へ『ラーマーヤナ』の物語の道筋を辿り、現地の人々と生活を共にし、『ラーマーヤナ』からインスピレーションを受けて撮影を行った。ヨガナンタン氏の一連の作品は、時空の旅という概念を核として、この古典作品を現代的に読み直すことを提案している。

Luva And Kusha, Munger, India, 2014 ©Vasantha Yogananthan

「A Myth of Two Souls」のストーリーは、風景写真と『ラーマーヤナ』の役柄を演じる人物の写真によって展開。前者は、『ラーマーヤナ』の中で描写された、現代インド人にとっては伝説的な風景。後者は地元の人々が自分の心に刻まれたシーンを演じている。
4×5インチ大判カメラでモノクロ撮影した作品には、伝統的な手彩色を学んだインド人画家が着色を施した。
「A Myth of Two Souls」プロジェクトは現在進行中で、ラーマーヤナの全7巻に対応する7冊のフォトブックとして出版予定。
現実とフィクションの境界線が曖昧になった、叙事詩的な旅に出かけて。

『A Myth of Two Souls 二つの魂の神話』
会期:9月3日(火)~9月29日(日)、入場無料・会期中無休
時間:12時~19時30分(9月3日(火)はイベント開催のため17時にクローズ)
会場:シャネル・ネクサス・ホール(中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F)

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