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事情通のこしら師匠が、話題の“仮想通貨”について教えます。

最近よく聞く「仮想通貨」。ブーム前から着目し、自らの体験をメディアでも度々披露する落語家・立川こしらさんに、その仕組みを聞いた。

撮影・岩本慶三

仮想通貨から見えるこれからのお金の考え方とは?

仮想通貨の成り立ちやブロックチェーンというシステムを学んだ後は、今後の仮想通貨のことやこれからのお金への考え方を聞いてみた。

PayPayをはじめとした今のコード決済が、100億円キャッシュバックしますとかコンビニで買ったら20%還元とかすごいキャンペーンをやっていますよね? これってよく考えたらもうお札を刷っているのと同じこと。これまで日本銀行しかできなかったことを一企業、それもこれまでのJRとかNTTのようなみんなが知っている大企業とは言えない会社ができるようになったのはすごいことですよね。法整備はこれからでしょうが、そのうち1ポイントが1円にならなくなる可能性だってある。実際、100億戻せる、と聞くと相対的に見ると1円より低い感じがしますよね? これまでの日本でのお金の価値なり、考え方を壊しにきてるのかと思うほどです。

こしらさんのお金まわりの持ち物をチェック。

カードと数枚の紙幣と小銭が入るオリジナルのミニ財布。自身のサイトで3,200円で販売もしている。
カードと数枚の紙幣と小銭が入るオリジナルのミニ財布。自身のサイトで3,200円で販売もしている。
ケースにSuica一体型のクレジットカードを入れたスマホ。
ケースにSuica一体型のクレジットカードを入れたスマホ。
カードと数枚の紙幣と小銭が入るオリジナルのミニ財布。自身のサイトで3,200円で販売もしている。
ケースにSuica一体型のクレジットカードを入れたスマホ。

ツイッターを見ている時もお金を使っている!?

仮想通貨もそういった視点で考えると面白いんです。みなさんもFacebookやツイッターとかをやって2時間ぐらい費やすことがありますよね? あれをタダだからと思っている人はいますが断じて違うんです。時間をお金にかえているんです。だからそこに広告とか資本が入ってきている。目に見えないお金を浪費しているようなもので、ある意味2時間の映画を観るのに1700円を払っているのと一緒。仮想通貨でいえば、僕はブロックチェーンというお金の情報が紐づくシステムが面白いと思って始めたわけで、儲けようとか投資目的ではない。少しはありましたけどね(笑)。

物々交換のほうが幸せを得られることもある。

お金は貴重なものですけれど、持っていれば幸せを得られるとは限らない。もっと言うと、お金持ちになって持ち家を手に入れ、いい車に乗っても幸せになれるわけではない。お金はあるけれど、つまらないというのはイヤですよね。最終的には貨幣価値に縛られるより、自分が楽しめて面白いと思えることだけにお金を使ったり、場合によっては、「物々交換」で幸せを得る方法も考えたほうが、今の時代は幸せなんじゃないかなと思います。食べ放題のバイキングでも「何を食べたら元が取れるか?」とか考えたら美味しくないじゃないですか(笑)。

僕でいえば、お金より芸を磨くことに価値があると思っていますから、たとえば、お金(ギャラ)がよくても、相手がイヤな人なら仕事は受けません。自分にプラスにならないですから。逆に安くても相手が面白ければその仕事は受けます。そのほうが楽しんで落語ができると思うからです。自分が楽しめたり幸せになるための方策のひとつがお金。お金自体に価値を見出すと、つまらない気がします。

事情通のこしら師匠が、話題の“仮想通貨”について教えます。

『クロワッサン』1002号より

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