今年2月に、東京都内のタワーマンションに引っ越したばかりのやましたひでこさん。高層階からの眺めは眼下に東京湾が広がる絶景で、開放感にあふれている。
「私の部屋選びの第1条件は眺望。ここは見晴るかす海原で、広い世界に漕ぎだしていける気がするんです。とはいっても、目の前のマンション棟から移っただけ(笑)。もともと石川県に自宅があったけれど、いま夫は沖縄にいて、ここは私の仕事場というか根城なの」
なぜ夫が沖縄かは後述するとして、引っ越しの際はゴミ袋1つしか出なかったそう。さすがは断捨離の哲人! ご覧のとおり、清々し
く洗練されたリビング。断捨離はモノとの関係性を通して自分と向き合いながら、日常生活を健やかに整える暮らしと心のメンテナンス。この空間こそ、やましたさんが辿り着いた軽やかな境地だ。
「モノを捨てました、部屋が整いましたっていうのは断捨離の入り口にすぎないんです。空間の中でモノをどう生かすか、そこに美しさが欲しいんですね。どんなにいい調度品もモノに埋もれていたら美しくないでしょ。空間がすっきりしているから、モノの存在が際立ちます。余白の美が大切ですね。