甲状腺機能低下症
原因と特徴
全身の細胞の活動性を高める甲状腺ホルモンの分泌が、慢性的な甲状腺の炎症などによって低下することで起こる病気です。初期症状はほとんどありませんが、主な症状のほか、忘れっぽくなる、記憶力が低下する、食欲は減るのに体重が増える、脈がゆっくりになる、少しの運動で息苦しさや疲労感があるなどがみられます。男性よりも女性に多く、血液検査をはじめ、大きさや触ると痛みを感じるかどうかなどを確認する甲状腺の診察、腫瘍がないかどうかや炎症を確認する超音波検査などを行うことで診断します。治療せずに放っておくと、高コレステロール血症や動脈硬化の発症リスクが高まり、心筋梗塞を引き起こす恐れがあり、注意が必要な病気です。とくに妊娠中は赤ちゃんに精神発達遅滞が生じやすくなることから、可能な限り妊娠前に積極的に治療を行うことが大切です。
治療
内科にて甲状腺ホルモンを内服することによって、ホルモン補充療法が行われます。下垂体腫瘍が原因となって甲状腺機能低下症を発症している場合は、下垂体腫瘍の治療として手術を行うケースもあります。