からだ

2週間で改善できる? むくまない食生活、20の知恵。

健康のために食べているつもりのものが、実はむくみの原因になっていた。そんな勘違いがあるかもしれない。
身体が重いような、膨張しているような。そんなむくみの兆しを解消する、正しい「スッキリ食」のルールとは。
  • 撮影・黒川ひろみ イラストレーション・酒井真織 文・菅野綾子

伊達友美さん
だて・ゆみ 管理栄養士、日本抗加齢医学会認定指導士
銀座医院などのカウンセラーとして、これまで6000人以上もの食
事を指導。監修本に『体質改善ダイエットMOOK』(小社刊)などがある。

朝起きてから、夜寝るまで。 身体のリズムに合わせた食習慣を。

私たちの身体を作っているのは、毎日の食事。だからこそ、いつもの食習慣をしっかり見直すことで、むくみやすい身体も改善できるのでは? そこで、日頃から巡りのいい身体を保つための食べ方の秘訣を、管理栄養士の伊達友美さんに聞いた。

「むくみを解消する基本は、温めて、ほぐして、流す、ということ。身体が冷えていては流れるものもスムーズに流れなくなってしまうので、まずは温めることが大切です。とはいえ、カイロを貼ったり、電気カーペットを敷いたり、身体を外側から温めようとすると、身体はもう熱は必要ないと判断し、自ら熱を作ろうとしなくなります。ですから、飲み物や食べ物で内側から温めることが必要なのです。また、加工する過程でむくみを引き起こす添加物が入った食品でなく、できるだけ自然のものを食べることが大切。ただし、ストレスによって自律神経が乱れると代謝が滞ってしまいます。無理をせず、まずは2週間続けてみてください」

[知恵1]朝起きたら 水でうがいをする。

むくまない身体づくりの大前提、余計なものを体内に入れないために、まず朝起きたらうがいをおすすめ。

「朝一番は口腔内に雑菌が増殖している状態。それに加え、口を開けて寝るクセがある人は、空気中の埃などが入っている可能性もあります。そういった菌や埃を、水や食事と一緒に飲み込んでしまわないよう、朝起きたら最初にゴロゴロうがいを2〜3回して、洗い流すようにしてください。よく、朝起きて一番先に歯磨きをするという人もいますが、実はそれも要注意。からっぽの胃に、歯磨き粉の成分が先に入ってしまうことになります。何もつけずにブラッシングするならまだいいですが、まずは“朝起きたら、うがい”を日々の習慣にするようにしましょう」

[知恵2]朝には白湯を ゆっくり飲む。

寝起きは喉がカラカラ。でもそこで飲むべきは、冷たい水ではなく、一杯の白湯。

「睡眠中は水分補給ができないため、リンパ液も血液もいわば“ドロドロ”。まずは体液を薄めて流すために、水分補給が必要不可欠です。ただ、冷えが気になる人が冷水を飲んでしまうと、身体が芯から冷えるだけ。内臓もキュッと硬くなり、流れが滞る一方です。ですから、まずは身体がじんわりと温かくなるような白湯を。手で触ったときにおなかが冷たかったり、靴下を履かないと眠れないくらい冷えが強い人は、熱いお湯をフーフーしながらちびちび飲むくらいでもいいでしょう。もちろん、きちんと体内で熱を作れる人であれば常温の水でもOKです。自身の冷え具合に応じて、温度の調節を」

[知恵3]食前に深呼吸する。

食べる前にゆっくりと深呼吸する。単純なことだがこれを習慣にするとさまざまなメリットがある。

「深い呼吸を、3回行ってください。朝昼晩の食前だけでなく、おやつを食べるときなどにも気づいたら積極的に。というのも、忙しい毎日の中で、私たちの呼吸は無意識のうちに浅くなっているといわれます。胸を開いて深い呼吸をすると、まず内臓が動いて血流がよくなります。そうすることで糖や脂肪の代謝がスムーズになるのです。また、気持ちが落ち着くことも大きなメリット。“食べること”に、いい意味で意識を集中できるので、味もクリアに感じられ、食事そのものを楽しめるようになります。これがムダな食べ過ぎを防ぎ、ダイエット効果も期待できます」

[知恵4]朝ごはんは 無理して食べない。

“3食きちんと食べたほうが身体にいい”“20時以降は食事を控えるべき”など、固定観念や自分のルールに縛られている人も少なくないはず。しかし、こうした我慢や本能に逆らうような行動も、むくみを招く要因になり得るそう。

「疲れやストレスによって生じる自律神経の乱れも、代謝を悪くし、むくみを引き起こします。おなかが空いていないのに無理やり食べるというのも、ストレスに繫がる行為の一つ。さらに、本能に従わずに食べると、栄養が吸収されにくくなることも。とくに午前中は排泄と浄化の時間帯。身体が求めていないのに、余分なものを無理して入れる必要はありません。それは、水も同じ。全く飲みたくないときに無理して飲まず、本能的な感覚に従うことが大切です」

[知恵5]果物1種類を食べる。

朝、まず食べたいのは果物。

「果物は加工や味付けをせずに食べられる食材。生野菜と違い糖分も多く、体内でしっかり熱を作ってくれます。天然100%の水分を摂るという意味でも重要。排泄をスムーズにしてくれるミネラルやビタミン、酵素なども含まれています。なかでもカリウムを多く含むキウイやメロンがおすすめ。数種類の果物を盛り合わせると、違う酵素が打ち消し合うので1種類だけで。糖分が多いバナナ、身体を冷やしやすい南国系のフルーツは控えて」

[知恵6]朝ごはんはお茶漬け。

朝からしっかり食べたい人におすすめなのは、お茶漬け。

「エネルギー源となるお米と身体を温める汁物の組み合わせ、たとえば雑炊やリゾットもいいですね。お米と味噌汁を別々に食べるより、消化しやすい利点もあります。また、お雑煮など、すぐにエネルギーに変わる餅料理もオススメ。小豆にはむくみを抜いてくれる作用があるので、お汁粉にすればさらによし。甘みが欲しいときのおやつにしてもいいでしょう。小麦は身体を冷やすので、むくみをおさえたいときパンはできるだけ控えて」

[知恵7]午前中は水分を 積極的に摂る。

水分補給はむくまない身体づくりの基本。とはいえ、一日中飲み続けていればいいというものでもない。大事なのは、身体のサイクルに合わせて、午前中に多く摂ること。

「午前中は排泄と浄化の時間帯なので、代謝のサイクルに入るお昼までに、余分な水分を尿としてすっきり出し切ること。そのため、むくみやすい人は、午前中に水分をこまめに摂り、頻繁にトイレに行くことを心がけて。まずはこのリズムを身体に覚えさせることが大切です。オフィスでもデスクにペットボトルの水を置くなどして、いつでも水分を補給できる態勢を整えておきましょう。このときも、氷入りなど、冷たい飲み物は絶対にNG。身体を冷やさないように、常温で飲むようにしてください」

[知恵8]ラテ類は豆乳で。

毎日コーヒーやカフェラテを飲む習慣がある人は、それをソイラテに替えるだけでも代謝がスムーズに。

「大豆には余分なナトリウムを尿として排出するカリウムが多く含まれているため、代謝を促し、むくみを解消する効果があります。カフェインを摂取しても、午前中であれば睡眠に影響することはありませんし、脳の覚醒作用もあるので元気が出る利点も。紅茶派の人も、いつものミルクティーをソイティーに替えてみてください。牛乳はたくさん飲むとむくみやすくなる傾向が。置き換えられるところは豆乳にチェンジして。また、小腹が空いたときのドリンクとしては、ココアもおすすめ。糖分で身体を温めるだけでなく、脳に“幸せホルモン”を増やし代謝を促す成分もあります」

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