からだ

2週間で改善できる? むくまない食生活、20の知恵。

  • 撮影・黒川ひろみ イラストレーション・酒井真織 文・菅野綾子

[知恵9]代謝を促すお茶を飲む。

コンビニや自動販売機で簡単に買えるお茶の中にも、実は代謝の促進を高めてくれるものがたくさんある。

「むくみ解消に効果的なのは、小豆茶、黒豆茶、そしてハト麦茶。市販の健康ブレンド茶はハト麦ベースになっているものが多いので、簡単に取り入れることができます。また、人気のごぼう茶もおすすめ。海外ではバードックルートというハーブとして知られ、身体を温め、老廃物を排出する働きがあります。夏も冷房で身体は冷えるので、必ずホットで飲むようにして」

[知恵10]ヨーグルトは控えめに。

小腹が空いたとき、ヘルシーなイメージから手に取りやすいヨーグルト。でも実は、前述の牛乳をはじめ、乳製品には代謝を滞らせるリスクが。

「乳製品はもともと日本では食べる習慣がなかったもの。乳糖や乳脂肪を分解する酵素を持っている日本人は5人に1人くらいしかいないといわれます。消化がうまくいかないと、腸壁に老廃物が溜まって腸自体がむくみ、代謝を滞らせるだけでなく、栄養の吸収が悪くなることも。小腹が減ったときに食べがちな、クリームスープやコーンポタージュも控えるのがベター。多くは乳成分、身体を冷やす小麦も含まれていますし、塩分が高めなのも気になります。小麦、乳、塩分の3つが揃えば、間違いなくむくみのリスクは高まります」

[知恵11]味噌汁は万能食。

一方で、塩分を多く含んでいても、むくみ知らずの万能食といわれるのが味噌汁。

「味噌汁は本当によくできた料理。大豆に含まれるカリウムやマグネシウムが余分な塩分を排出してくれるので、味噌汁は1日3杯飲んでもむくみもせず、血圧も上がりません。ミネラルということでいえば、味噌汁はどんなに優れた硬度の高いミネラルウォーターよりも良質で濃厚なミネラル飲料なんです。小腹が空いたときは、同じ汁物でも脂肪分が多いわりにミネラルが少ないコーンスープではなく、インスタント製品でもいいので味噌汁を選ぶようにしましょう。スープ類なら、オニオンスープやわかめ、卵スープなど、乳成分が含まれない、汁がクリアなものを選ぶといいでしょう」

[知恵12]ランチは牛丼で決まり。

むくみ対策というと水分や塩分を気にしがちだが、実は一番重要なのは、動物性のたんぱく質。

「動物性のたんぱく質が不足している人は、筋肉量が少なく、代謝が滞ります。午後は最も代謝が高まり、消化液も多く分泌される時間帯なので、牛丼やステーキ定食など、赤身肉を食べるようにしてください。赤身肉は血液を作り、血管を丈夫にするたんぱく質と鉄分が両方含まれているので、血流もよくなります。その際はパンでなく適量のごはんを一緒に食べましょう」

[知恵13]間食は豆やナッツ。

おやつにはカリウムやマグネシウムなど、ミネラルが凝縮されている豆やナッツを。

「くるみやカシューナッツ、ピスタチオなどのナッツからは、植物性のたんぱく質が摂れます。動物性ほどのパワーはないものの、少しでも多くたんぱく質を摂取できたほうが代謝はスムーズに。とくにくるみには、血液サラサラ効果のあるオメガ3系の油も含まれています。身体に必要な水分を蓄えるのは油の力です。良質な油が足りていない人は体内の水分バランスが崩れ、むくみやすくなります」

[知恵14]ドライフルーツは 黒いものを。

豆やナッツと同じくらい、おやつとしておすすめなのが、ビタミンやカリウムが多く含まれたドライフルーツ。充分な甘みがあって少量でも満足感があるため、ダイエット中の人にもおすすめ。

「ドライフルーツは栄養も満点。とくに、プルーン、レーズン、ブルーベリー、ラズベリーなどの黒いもの、色の濃いものには、血流をよくするために必要な鉄分も多く含まれています。ベリー系のドライフルーツには抗酸化作用もあるので、女性にはとくに摂ってほしいですね」

[知恵15] ハイカカオのチョコで もうひと頑張り。

疲れが溜まって身体が甘いものを欲してきたら、カカオ70%以上のチョコレートを。

「ハイカカオのチョコレートはミルクが少ないのでOK。アーモンドチョコなど、ナッツと一緒に摂れるものならなおいいでしょう。逆に避けてほしいのはチョコクッキーサンドなどの、小麦と一緒になっているお菓子。小麦の加工食品は体内で分解されにくく、身体を冷やす性質が。それによって栄養の吸収が悪くなり、代謝も下がってしまいます。疲れが溜まって甘いものが食べたくなる夕方ごろは、身体も最もむくんでくる時。靴を履いたままでも座ったままでもいいので、足指をグーパーしたり、もじもじさせたり、簡単に動かすだけでも全身の血流やリンパの流れを改善できますよ」

[知恵16]夕飯は手軽な海鮮丼。

むくみ解消には動物性たんぱく質が必要。とはいえ昼も夜もお肉では、胃腸も重労働。

「睡眠に向かう時間帯には、魚で動物性たんぱく質を摂取したほうが胃腸に負担がかかりません。煮魚や焼魚でもいいですが、魚だけで満腹になるのは難しく、塩分も多くなりがちなので、適量のごはんと一緒に。刺身をのせた手軽な海鮮丼などもいいですね。ちくわなどの練り物もシーフード。塩分が多いイメージですが、マグネシウムやカリウムもかなり豊富。おでんにすれば身体も温まります」

[知恵17]お酒は常温以上で飲む。

むくみが心配だからと、お酒を我慢する必要はなし。大事なのは、その温度。

「内臓が冷えると身体全体が一気に冷えるので、キンキンに冷えたビールや氷が入ったサワーなどの冷たいお酒は避けたほうがいいでしょう。おすすめは全身が芯から温まる熱燗の日本酒やイモ焼酎のお湯割り。もしくは、ポリフェノールも豊富で常温で飲める赤ワインなど。カクテルも氷が入っているロングは避けたほうがベター。飲むならショートタイプの量が少ないものを選びましょう」

[知恵18]麦が材料のお酒は避ける。

むくみが気になる人は、お酒の温度だけでなく、原材料にも注意が必要。

「まず避けるべきは、ビールや麦焼酎など、身体を冷やす麦が材料のお酒です。それから、“糖質ゼロ”や“カロリーゼロ”など、人工甘味料入りの発泡酒類も、むくみが気になる時期は避けたほうがいいでしょう。おすすめは米や芋、そばが原材料のもの。おつまみには小魚アーモンドを。小魚は塩分が多いイメージがありますが、カリウムを含むアーモンドと一緒に摂れば心配なし。基本的にアルコールは水と違って浸透圧が高く、血液中の水分を外へ出してしまうので、飲みすぎると身体が脱水状態に。お酒と一緒に、水やウーロン茶などを挟みながら、積極的に水分補給しましょう」

[知恵19]しじみスープで〆る。

お酒を飲んだ後は、汁物で〆るのが正解。なかでもしじみ汁は、翌朝のむくみを軽減してくれる最強の一品。

「しじみに含まれるオルニチンには、アルコールを分解する肝臓の働きを助ける作用があります。ですから、たとえ飲み終わったのが夜中の3時でも、翌朝の身体をスッキリさせるためには、飲んでおくのがおすすめです。また、カレーのスパイスに含まれるウコンの主成分、クルクミンにも肝臓を助ける作用があるので、カレースープを飲むのもいいでしょう」

[知恵20]寝る直前に 水分は摂らない。

寝ている間は水分の補給はできない。だからといって、寝る前にごくごくと大量の水を飲むのはNG。

「午前中は身体が排泄モードなので、摂った水分をスムーズに排出できますが、夕方から夜にかけては身体が溜め込むモードになっているので、過剰に水分を摂ると逆にむくみに繫がりやすくなります。ギリギリ水分を摂っていいのは入浴の前まで。それ以降はちょっと喉が渇いたなと思っても、あまり飲みすぎないようにしましょう。できるだけ喉が渇かないように、浴槽で半身浴をしたり、発汗作用を促すソルトを入れたりと、必要以上に汗をかく行為は控えて。汗をかけばかくほど身体は冷えてきます。余分なものは汗ではなく尿で排泄する、ということもお忘れなく」

『クロワッサン』996号より

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