からだ

Vol.53 夜中に何度も目が覚めてしまいます。【40歳からのからだ塾WEB版】

  • 文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子

睡眠欲求は、仕事、運動など活動することによる蓄積疲労から生じ、覚醒力は体内時計から発信されるものです。

また、「自律神経の働きも重要な役割を果たします。夜、活動モードの交感神経からリラックスモード副交感神経に切り替わるときには、メラトニンというホルモンが分泌され、体温、脈拍、血圧などが低下して、自然な眠りが訪れるという仕組みになっています」(白濱さん)

睡眠の改善には、深い睡眠を得るには、メラトニンと体内時計、この2つを整えることが重要。ですが、年齢とともにメラトニンの分泌量は減ってきてしまいます。日常生活では、メラトニンの分泌を妨げるような習慣はできるだけ避けることが大事だそうです。

具体的には、

●眠る数時間前からスマホを見ないこと
●寝酒は厳禁。食事やお酒は眠る3時間前に済ませること
●夜遅かったら、朝は早起きして朝の光を見て体内時計をリセットすること

などが大切。

また、眠る前に体を温めておくと、深い眠りを得やすくなります。
「入浴などで深部体温を上げ、体を睡眠モードに切り替えましょう。時間がないときには、太い血管が集中する首もとにシャワーを当てて温めるのも効果的です」(白濱さん)

ただし、ああすべき、こうしなきゃなど、完璧主義はかえって睡眠障害を治りにくくしてしまうそう。「年齢とともに多少の眠りの質の低下は起こり得ます。自分にとって “いい加減” のコンディションを維持するよう心がけるとよいでしょう」(白濱さん)

自分であれこれ試しても改善しにくい場合には、医療の手を借りるのも手です。睡眠外来で相談してみましょう。
睡眠リズムが乱れているケースの治療では、メラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬と言う薬を使って、リズムを整えるそうです。
「これらは、依存性はなく安全性の高い薬です。リズムが戻れば、薬を減らしたり、やめることもできます」と白濱さん。
まずは乱れた睡眠リズムを正常に戻し、併せて生活習慣の見直しなども行いながら、夜、自然に眠れるリズムを取り戻していくのですね。

不眠症の新しい治療薬

●メラトニン受容体作動薬
脳内のメラトニン受容体に作用し、睡眠と覚醒のリズムを整え眠りをもたらす。メラトニンは、体内時計の調節に関わるホルモンの一つ。
●オレキシン受容体拮抗薬
オレキシンの働きを弱めることで自然な眠りへと導く。オレキシンとは、覚醒を維持する脳内物質。
このほか、不眠の原因として他の病気が隠れていることもあるそうです。
「腰痛や頻尿などの持病がある場合には、その治療も並行して行ってください」と白濱さん。
頻尿のお悩みについては、からだ塾vol.46でも取り上げています。気になる方はこちらもチェックしてみてください。

ご協力いただいた医師
白濱龍太郎さん RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長
しらはま・りゅうたろう●筑波大学医学群医学類卒業。東京医科歯科大学大学院統合呼吸器病学修了。医学博士。睡眠、呼吸の悩みの統合的な診断・治療に加え、生活習慣指導にも尽力。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

ライター、メノポーズカウンセラー 及川夕子
更年期、まっただ中のライター。最近、ちょっと休んだぐらいでは疲れが抜けなくなってきて、以前よりもカラダのメンテが欠かせなくなったと実感。とはいえ、カラダの変化をポジティブに捉え、同年代の女性の健康に役立つさまざまな情報をお伝えしていきたいと思っています。ただいま、ヨガやマインドフルネスを実践中。ホルモン補充療法も試してみたい!

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