【実践編】自分の顔パターンを知って、きれいになる「重心メイク」とは?
撮影・玉置順子(t.cube/人物)、藤井マルセル(t.cube/物) ヘア&メイク・レイナ(Crystalline) スタイリング・水口久美子 文・越川典子
杉山さんの場合、下方向、外方向にメイクすると、ふんわりした落ち着きが。
レイナ さあ、ではメイクのポイントを見ていきましょう。愛さんのチャームポイントは、目です。淡いブラウンで、あたたかく、とってもやわらかな印象を与えてくれます。
杉山 そうですか? 私の目、決して大きくないし、どちらかというとコンプレックスだったのだけれど。
眉は下に描き足して太めに。若々しい印象になります。
レイナ 目のヨコ幅を出すために、アイラインを目尻からすーっと外にひきましょう。マスカラも目尻から外へつけるように。すると、外へと開いていくんですね。アイシャドウは必ず目の下にもつけてください。下睫毛にもマスカラを必ずつけます。そうすると、ほら、頬のタテの長さが短く感じませんか?
杉山 あ、本当ですね!
レイナ 次に、全体の印象を大きく左右する、眉。
杉山 眉のアーチの形は、自分でも気に入っているところなんです。
レイナ とてもきれいです。ただ、少し山がある眉なので、そのまま濃く描いてしまうと印象が強すぎてしまうんですね。外へ開いていきたいので、眉頭はぼかすこと。描き足すのは、眉の下側。ここがポイントです。自分の眉よりやや太めにすると、かわいい印象になります。
杉山 今まで、上のほうに描き足していました。逆だったんですね。
レイナ 年齢を重ねると、まぶたが間延びしがちなんです。ですから、眉は下に描き足す、太めに描く。こうすると、若々しくなります。
杉山 なるほど。顔の変化と言えば、唇も薄くなってきますか?
レイナ そうです。上唇が薄くなってくる人が多いですね。上唇と下唇が1対1のバランスが最もきれいなので、気になる人は、気持ち上唇のカーブを外側にすると若々しく見えます。
杉山 私の場合はどうですか?
レイナ 愛さんのバランスはちょうどいいのですが、色選びが重要。濃い色をつけると、上重心の人は頬の長さが強調されちゃうんです。なので、淡い色の口紅でふんわりさせましょう。
杉山 チークもふんわり、大きく。
レイナ 最後の仕上げは表情です。色は顔の上にのっているだけ。それを活かすのは、表情なんですね。
杉山 英語圏に比べ、日本語は表情筋を動かさなくても話せますものね。
レイナ 愛さんの笑顔はメイクと同じくらいのパワーがあるんです。笑っていても笑って見えない人もいるので、いつでもちゃんと笑えるように、表情筋も動かして鍛えておきましょう。
アイシャドウ
アイライン&マスカラ
アイブロウ
チーク
リップ
ハイライト
杉山 愛(すぎやま・あい)●元プロテニスプレーヤー。グランドスラム女子ダブルスで3度優勝、シングルス連続出場62回は女子歴代1位。TV『スッキリ』などでコメンテーターとしても活躍。
レイナ(れいな)●ヘアメイクアップアーティスト。主宰する「Crystalline」では、完全予約制の個人レッスンのほか、グループレッスンやプロ向けの教室も。女優やタレント、文化人の信頼も厚い。
『クロワッサン』981号より