【環境ストレス編】肌に過酷な日々の刺激、守りのコスメが必要です。
撮影・中島慶子 文・柏谷麻夕子 イラストレーション・坂本康子
[新たな光害]近赤外線とロングUV-A、ブルーライトもエイジングを加速。
《紫外線》外側と内側から、UV-Aに対抗。
紫外線対策ではSPFの数値に注目しがちですが、PAの+の数にも目を向けましょう。SPFは表皮を日焼けさせるUV−B波からの防御時間を表すのに対し、PAは真皮にダメージをもたらすUV−A波の防御力を表します。最高が+4つ。最近は、UV−Aのおよそ半分がより深層に届くロングUV−Aであることがわかり、さまざまなメーカーが対応しています。シミや日焼けだけでなくエイジングサインも防ぎたいなら、PA+++以上のUVケアを。日焼け防止サプリメントを併用することも有効。日焼けダメージを防ぐ成分として、シダから抽出したファーンブロックや、グレープフルーツとローズマリーから抽出したニュートロックスサンが配合されています。太陽を浴びる30分ほど前に飲んでおくのがおすすめ。体内の抗酸化を助けるので、日焼けによる肉体的な疲れも軽減してくれます。
最長紫外線のロングUV-Aに対応。
内側から日焼けダメージを防ぐ。
《ブルーライト》デジタル生活で浴びている。
目に見える光の中でももっとも波長が短く、強いエネルギーをもつのがブルーライト。太陽光にも含まれていますが、PCやスマホといったデジタル機器からも発されます。この光が肌に及ぼす影響も指摘されていて、一定量を長時間浴びた場合、UV−Bのように炎症や色素沈着を招く可能性が判明したのです。日常的な光量なら心配ないという意見もあり、紫外線に比べるとまだまだ研究途上ですが、守るに越したことはありません。また、夜に目がブルーライトを感知すると身体が目覚めモードになり、自律神経が乱れやすくなります。その結果ターンオーバーや細胞修復が乱れると、間接的ながらエイジングの一因に。夜はスマホを見過ぎないよう注意したいもの。
《近赤外線》肌深層部のハリ組織が傷む。
日差しを浴びると暖かく感じますよね。この熱を発している光が赤外線。暗闇での撮影で使われる赤外線カメラは、動くものが発する熱を感知して映像化するという仕組み。紫外線よりも波長が長く、家電製品などに幅広く使われています。この赤外線も、肌のエイジングを進めることがわかっています。ポーラの研究によると、赤外線の中でも波長が短くエネルギーが強い近赤外線が要注意。UV−Aよりもさらに真皮深層に届き、ハリを形成しているコラーゲンやエラスチンの分解を早めてしまうので、シワやたるみの原因に。日差しの熱を肌に感じるときは赤外線を受けている証拠。ポカポカ陽気を楽しみたいなら、赤外線防御機能があるプロテクターが必須です。
柏谷麻夕子(かしわや・まゆこ)●美容ジャーナリスト。スキンケアをはじめ、植物療法やメノポーズ(更年期)ケアなど代替療法や内外美容の知識も豊富。スポーツアロマトレーナーとしても活動。
『クロワッサン』972号より