からだ

好きなお酒を好きなだけ飲んでも、痩せられる食べ方があった!

痩せるためにお酒をやめることは絶対無理! そんな“酒至上主義”の人でもできるダイエット法を考えた。
  • 撮影・岩本慶三、青木和義 スタイリング・高島聖子 文・一澤ひらり
(左)管理栄養士 大柳珠美さん (右)「古典酒場」編集長 倉嶋紀和子さん

2007年に雑誌『古典酒場』を創刊した編集長の倉嶋紀和子さん。根っからの酒好きと仕事で重ねた酒と肴の日々によって、昔馴染みの酒場の店主にも気づかれないほど太ったという。とはいえ酒こそ人生。同じくお酒をこよなく愛する管理栄養士の大柳珠美さんに、酒をやめずに痩せる知恵を授かることに。

大柳珠美さん(以下、大柳) 毎日どれぐらい飲まれるんですか?

倉嶋紀和子さん(以下、倉嶋) 酒量は把握したことがないんですけど、3軒以上はしごをして酩酊し、最後は記憶を失くす日々です。でもスマホという外部記憶装置を見るとラーメンやカレーが写っていて、食べた記憶はないけど締めの炭水化物ことシメ炭はしっかり食べてるみたいです(笑)。

大柳 はしご酒の写真を見ると、どのお店でもしっかり食べて飲んでますよね。これができるのは丈夫な胃腸と高い代謝力を持っているということ。ふつうの女性がしていたらもっと太っています。

倉嶋 『古典酒場』を創刊して10年で15㎏増えてしまいました。お酒はもちろんですが、白米とか炭水化物が好きなんですよね。二日酔いの朝はごはんに味噌汁とか、カレーやパスタを食べてます。お昼も麺類だったりして。

酒飲みが太るのは糖質の摂り過ぎ。 朝と昼の主食を抜けば痩せてくる。

対談場所は東京・荻窪の『鳥もと本店』。弘前の銘酒「豊盃」を酌み交わし、焼き鳥を食べつつ語り合った。

大柳 アルコールそのものは「エンプティカロリー」といわれて、すぐ熱として放出されてしまうので肥満にはつながらないんです。酒肴もお刺身とか焼き鳥とか、ヘルシーな料理を選びやすい。問題はシメ炭や朝昼の炭水化物ですね。糖質は血糖値を上げて体脂肪に変わってしまうので太りやすいんです。夜のはしご酒で糖もカロリーも摂っているのだから、朝昼の主食を抜けば体重は減ってくるはずです。

倉嶋 血糖値のことなんて考えたことなかったです。

大柳 倉嶋さんはお酒を飲むのが仕事なのだから、ご自身を「酒飲みアスリート」と考えてください。飲むのも仕事だけれど身体をコントロールするのも仕事だと自覚して、夜に備え朝昼の主食を抜いて糖質を制限するんです。一日の食事をトータルで考えて調整するのがいいと思いますね。

倉嶋 もっと酒量を控えるとか、焼き鳥はタレじゃなくて塩でとか、揚げ物厳禁とか、細かく指示があるのではと恐れていたので、ちょっとビックリ。

大柳 おいしく食べて飲むのが一番でしょう。焼き鳥もタレか塩かで言えば塩だけど、タレがおいしいものはタレでいい。でもやっぱり夜のシメ炭は控えたほうがいいですね。

倉嶋 はい。気をつけます。具体的に朝昼に何を食べたらいいですか?

大柳 炭水化物以外なら何でも。ただお酒で肝臓を酷使しているから、肝臓を助ける栄養、たんぱく質を摂ることがポイントです。肝機能が落ちると代謝が下がって痩せにくくなるんです。

倉嶋 肝臓にはたんぱく質が必要なんですね。どんな食材を?

大柳 肉、魚、卵、大豆製品。しかもお酒を飲んで脱水しているので、朝はしじみ、豆腐などが入ったお味噌汁がおすすめです。足がつったり、まぶたがピクピクしませんか?

倉嶋 寝ているときに足がつります。

大柳 それはマグネシウムが足りないんです。酒肴って塩分が多いので、おしっこでナトリウムが排出されると、ミネラルも一緒に出てしまいます。アルコール代謝でビタミンB群も失われます。補うためには野菜やきのこ類、海藻を摂るといいです。食物繊維も豊富ですからね。

倉嶋 どんなふうに食べれば?

大柳 ミネラルを含むたんぱく質というと肉よりは魚介、大豆製品です。鯖の水煮缶などの魚の缶詰そのままでも充分です。めかぶやもずくのヌルヌル系は肝機能を高めるし、抗酸化作用もありますから食べてください。

倉嶋 朝昼の主食を抜くならできそうです。お酒を飲みながら痩せられたら、言うことありませんよね。

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