大柳 アルコールそのものは「エンプティカロリー」といわれて、すぐ熱として放出されてしまうので肥満にはつながらないんです。酒肴もお刺身とか焼き鳥とか、ヘルシーな料理を選びやすい。問題はシメ炭や朝昼の炭水化物ですね。糖質は血糖値を上げて体脂肪に変わってしまうので太りやすいんです。夜のはしご酒で糖もカロリーも摂っているのだから、朝昼の主食を抜けば体重は減ってくるはずです。
倉嶋 血糖値のことなんて考えたことなかったです。
大柳 倉嶋さんはお酒を飲むのが仕事なのだから、ご自身を「酒飲みアスリート」と考えてください。飲むのも仕事だけれど身体をコントロールするのも仕事だと自覚して、夜に備え朝昼の主食を抜いて糖質を制限するんです。一日の食事をトータルで考えて調整するのがいいと思いますね。
倉嶋 もっと酒量を控えるとか、焼き鳥はタレじゃなくて塩でとか、揚げ物厳禁とか、細かく指示があるのではと恐れていたので、ちょっとビックリ。
大柳 おいしく食べて飲むのが一番でしょう。焼き鳥もタレか塩かで言えば塩だけど、タレがおいしいものはタレでいい。でもやっぱり夜のシメ炭は控えたほうがいいですね。
倉嶋 はい。気をつけます。具体的に朝昼に何を食べたらいいですか?
大柳 炭水化物以外なら何でも。ただお酒で肝臓を酷使しているから、肝臓を助ける栄養、たんぱく質を摂ることがポイントです。肝機能が落ちると代謝が下がって痩せにくくなるんです。
倉嶋 肝臓にはたんぱく質が必要なんですね。どんな食材を?
大柳 肉、魚、卵、大豆製品。しかもお酒を飲んで脱水しているので、朝はしじみ、豆腐などが入ったお味噌汁がおすすめです。足がつったり、まぶたがピクピクしませんか?
倉嶋 寝ているときに足がつります。
大柳 それはマグネシウムが足りないんです。酒肴って塩分が多いので、おしっこでナトリウムが排出されると、ミネラルも一緒に出てしまいます。アルコール代謝でビタミンB群も失われます。補うためには野菜やきのこ類、海藻を摂るといいです。食物繊維も豊富ですからね。
倉嶋 どんなふうに食べれば?
大柳 ミネラルを含むたんぱく質というと肉よりは魚介、大豆製品です。鯖の水煮缶などの魚の缶詰そのままでも充分です。めかぶやもずくのヌルヌル系は肝機能を高めるし、抗酸化作用もありますから食べてください。
倉嶋 朝昼の主食を抜くならできそうです。お酒を飲みながら痩せられたら、言うことありませんよね。