からだ

Vol.31 血圧の薬をやめたいです。【40歳からのからだ塾WEB版】

  • 文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子

前回に続いて、今回も「血圧」がテーマです。
病院で高血圧と診断されると、生活習慣の改善を指導されますが、それでも血圧が下がらない場合には降圧剤を処方されます。
降圧剤といっても多くの種類があり、なかには薬が合わなかったり、血圧が下がりすぎてしまう人もいます。
そこで今回は、降圧薬治療についての疑問を解決したいと思います。
「薬が合わないので、血圧の薬をやめたい」
「血圧の薬で副作用が出てしまった」
「漢方薬や健康食品を試したい」
こんなとき、どうしたらよいのか。医師に聞きました。

降圧薬はどんなときに必要?

まずは、高血圧治療の基本をおさらいしましょう。
血圧治療に詳しい医師の苅尾七臣さんによると、高血圧の治療は、原則、生活改善と薬物療法の2本柱で進められます。食事(減塩)、運動(減量)、睡眠などの改善を行っても血圧が下がらない場合、また正常高血圧であっても糖尿病などのリスク因子がある場合には、降圧薬でコントロールする治療が必要になります。

薬物治療を始める時期は、リスクによって異なり、高血圧治療ガイドラインでは、低リスク群から高リスク群まで3つにわけられています。

初診時の高血圧管理計画

初診時の高血圧管理計画

日本高血圧学会のガイドラインでは、診察室血圧が「収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧80mmHg以上」の場合に高血圧と診断されます。表中の二次性高血圧とは、ほかの疾患や薬の副作用などが原因で起こる高血圧のことを指します。

参考資料:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」

降圧薬にはさまざまな種類があり、患者さんのタイプや症状に合わせて医師が選択します。早朝高血圧、夜間高血圧など、高血圧のタイプによっては飲む時間帯や回数を変えたり、複数の薬剤を使う場合もあるそうです。

なお、11月の米国心臓協会(AHA)の学術集会で、高血圧の定義を130mmHg/80mmHgに引き下げるガイドラインが発表されました。これを受けて「今後、日本にも影響があると思われます」(苅尾さん)とのこと。今後、基準値が変わる可能性も出てきました。

さて、ここからは、降圧薬治療についての疑問を解決していきます。
そもそも降圧薬治療がなぜ必要なのか。その目的なども改めて考えながら、読み進めてみてください。

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