Vol.29 むくみを放っておいたら、足が黒ずんできました。【40歳からのからだ塾WEB版】
下肢静脈瘤の進行度を知るには?
CEAP(シープ)分類というものがあり、下肢静脈瘤の進行度・重症度を知る目安になります。
足の静脈性疾患のCEAP分類
皮膚病変があると、瘤(コブ)ができた状態よりも重症度が高い。
資料提供:東京血管外科クリニック
下肢静脈瘤の治療法は? すぐに治療が必要?
受診の目安としては、下記のような症状があったら、一度医療機関を受診しましょう。
- ● 朝起きたときにむくみが戻らない
- ● 血管が大きくふくらんでいる
- ● ひざ下がむくむ
- ● 赤く腫れて痛みがある
下肢静脈瘤は、うっ滞性皮膚炎や潰瘍になってくると重症。静脈瘤に対して治療が必要となります。
下肢静脈瘤の治療には、
- ● 保存的療法:生活習慣の改善や弾性ストッキングなどで症状を改善
- ● 硬化療法:静脈瘤を注射薬で炎症を起こしてつまらせる治療法
- ● 手術療法:
- ① 切開手術:皮膚を切開して静脈瘤を抜き取るストリッピング手術
- ② 血管内焼灼術:レーザーや高周波により熱で静脈を血管の内側から焼きつぶす手術
- ③ スーパーグルー手術:熱を使わずにグルー(医療用接着剤)を血管内に注入し、血管を瞬時にふさぐ治療法
などがありますが、根本治療はやはり手術療法となります。
「静脈瘤をきちんと治療すれば、毛細血管にきちんと血液が行き渡るようになるので、皮膚の再生能力が上がり皮膚の状態は非常によくなります。足のむくみやだるさなどの不快な症状も改善されます」(榊原さん)。どの治療を選ぶかは、主治医とよく相談しましょう。
ちなみに、スーパーグルーは、血栓のリスクが限りなく低い、術後のからだの負担が最小限で翌日から飛行機に乗れる、手術時間が最も短い、麻酔がほとんどいらない、傷跡が残らないなどのメリットがある最新の治療法。反面、導入している医療機関が少なく自由診療。他の治療と比べると、現時点では費用面で高額になります。