自分ではチェックしにくい背中。気が付くと脂肪が付き、全体に丸みを帯びていることがある。ガラス作家の一條朋子さんも、最近、なんとなく背中にうっすらと脂肪が付いてきたと感じていたというので、今回、背中美人を目指して頑張ることに。
「夏物の洋服を着たときに、二の腕から背中にかけて、なんだかもたついて見える、と思ったんです」
「すっきりした美しい背中を手に入れるには、お尻の筋肉を柔らかくすることがポイントなんですよ。お尻と背中、まるで関係がなさそうでしょ。でも、背中を美しくするには姿勢が第一なんです。その姿勢に影響を与えるのがお尻の大殿筋。そこが固くなると骨盤が後傾してしまいます。そのままだと後ろに倒れてしまうので、人は膝を前に出し、背中を丸くし、頭を前に出すことでバランスを取ろうとする。典型的な猫背の姿勢ですね。猫背で肩が前に出てくると、肩甲骨周りの筋肉の柔軟性が低下し、動かないから脂肪が蓄積され、ますます丸くなり悪循環に」
と理論的なストレッチ指導に定評のある坂詰真二さん。逆に、お尻の大殿筋がしなやかに伸びていれば骨盤が立って、背骨が美しいS字カーブを描き、肩も後ろに引かれ肩甲骨が閉じ、膝や顎も正しい位置に収まる。
「正しい姿勢で立てば、背中がすっと伸びて見た目もすっきり。そのためには、大殿筋だけでなく、首の前部にある胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)、胸の大胸筋、お腹の腹直筋をストレッチで柔らかくしていくことが重要なんです。ところで一條さんは普段、どのような姿勢で仕事していますか?」
「ガラスの作品制作は立って行う場合と座ってする場合があるのですが、常に両腕を肩のあたりまで上げて、作業をすることが多いです。だから、肩と腕はいつもパンパンです」
「そのせいか右肩が下がり、頭が右に傾いていますね。でも、基本的に姿勢はいいですよ。肩甲骨が閉じて背すじもすっとしている。さらにいい姿勢になるには、大殿筋をはじめ、姿勢に関連する4つの筋肉をストレッチで柔らかくしていきましょう。背中美人に近づき、悩みの種の肩こりも解消されます」