からだ

プリン体を正しく理解して、尿酸値を上げない食生活を。

プリン体を正しく理解して、
尿酸値を上げない食生活を。

洋の東西を問わず、正しい食生活は健康の基本。
ここでは尿酸値抑制の基礎知識を、内科医の池谷敏郎さんに聞きました。


 
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池谷敏郎さん

いけたに・としろう

池谷医院院長、医学博士、内科専門医、循環器専門医。TVや著作等でのわかりやすい医学解説が好評。著書に『病気は血管から治せ!脳卒中、心筋梗塞、認知症…今からでも間に合う血管トレーニング』など。
 
あなたは自分の尿酸値を高めと知りつつ、放置してはいませんか? 「尿酸値は7mg/dlを超えたら要注意、8mg/dl以上なら治療を考えないといけません。症状がないからといって放置しておくと、激痛を伴う痛風や尿路結石を発症する可能性が。さらに、腎不全を起こして透析が必要になったり、“沈黙の殺人者(サイレントキラー)”と呼ばれる動脈硬化の餌食になる可能性もあります」と、池谷敏郎さん。尿酸値が高めの人は、病気の要因を抱えていることを自覚して、食事量・酒量を減らす、摂取する食品の内容を考える、運動するなどの対策を。まずは、尿酸とその原料となるプリン体についての基礎的な情報をチェックして、尿酸値コントロールに役立てましょう。



 
プリン体、尿酸って何?

プリン体は、ヒトの生命活動の維持に不可欠な物質。体内でつくられるほか、食物からも摂取されています。「プリン体が分解される過程でできる燃えカスのようなものが尿酸です。この産生量と排泄量のバランスが崩れて排泄が追い付かなくなると、血中の尿酸値が上昇。7mg/dlを超えると高尿酸血症と呼ばれます。プリン体の摂取で誰もが尿酸値が上昇するわけではなく、体質、肥満、ストレスなどの影響が大きいと考えられています」。

プリン体から生まれた尿酸は、一時的に体内の尿酸プールに溜まり尿や便となって排泄される。産生量>排泄量の場合、プールがあふれ尿酸が血中へ。
プリン体から生まれた尿酸は、一時的に体内の尿酸プールに溜まり尿や便となって排泄される。産生量>排泄量の場合、プールがあふれ尿酸が血中へ。


 
尿酸値が高いと何の病気の原因になりやすい?
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血中の尿酸が結晶化し、関節にこびりついて激痛を起こす痛風。尿酸の結石が尿管に詰まる尿路結石。尿酸の結晶が腎臓の組織にたまっていくと、腎不全の危険性も。さらに、「尿酸が原因で血管の内皮細胞に炎症が起こり、その機能が障害されて(血管内皮機能障害)、ほかの生活習慣病の合併がなくとも動脈硬化の危険性が増すことがわかってきました。突然死につながる動脈硬化が痛風などと同時進行している可能性があり、注意が必要です」。


 
気をつけるべき生活習慣は?

食物から摂取するプリン体の量を減らすことが大切ですが、それをいちいち計算するのは大変。「肥満を治すのと一緒で、まずは食べる量、酒量を全体的に減らしましょう。食事は炭水化物を中心に減らしたほうがいいですね。酒の種類を問わず、アルコールは尿酸値を高めますので、どうせ飲むなら好きな酒を控えめに飲むといいでしょう。適度な運動も大切。一日30~40分のウォーキングを心がけて。ストレスも上手に発散しましょう」。

プリン体は肉や魚の内臓、魚の干物などに多い。酒が進む肴が多いので、頭の片隅に入れておいて。摂取量抑制の基本は腹八分目。
プリン体は肉や魚の内臓、魚の干物などに多い。酒が進む肴が多いので、頭の片隅に入れておいて。摂取量抑制の基本は腹八分目。


 
積極的に摂りたい食品は?
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プリン体は野菜、豆腐などに少ない傾向があるので、日々の献立に上手に取り入れて。また尿酸は、尿のpHが酸性に傾くと結晶化しやすいため、「昆布、わかめ、さつまいも、ニンジン、ほうれんそう、ごぼうなど、尿をアルカリ化する食品の摂取は、結晶、結石の予防に効果的です」。尿酸の排出を促すと考えられる乳製品は、積極的に摂りたい食品のひとつ。なかでもヨーグルトは「腸内環境を整えることで、肥満の改善やストレスの一因となる睡眠障害の改善も期待できます」。


 
プリン体と戦に直接作用する「PA-3乳酸菌」とは?

「PA-3乳酸菌」は、食事由来のプリン体に働きかけて、人体への吸収を減らす作用が期待される乳酸菌。「PA-3乳酸菌」入りヨーグルトの摂取で尿酸値の上昇が抑えられたという試験結果も報告されています(右グラフ)。「こうしたヨーグルトは、日々の食生活のなかでプリン体・尿酸への意識を高めるいいきっかけづくりになると思います。生活習慣が気になる人は、積極的に取り入れてみましょう」。

痛風で通院治療している患者17名が4週間の服薬休止後に、ヨーグルトを1日2回各100g、8週間摂取(休薬は継続)。。PA-3乳酸菌が入っていないヨーグルトを摂取した群と、入っているヨーグルトを摂取した群の尿酸値の変化を比較した。「入っていない」グループは休薬の影響で尿酸値の上昇が見られたが、「入っている」グループの尿酸値はほぼ変わらなかった。
痛風で通院治療している患者17名が4週間の服薬休止後に、ヨーグルトを1日2回各100g、8週間摂取(休薬は継続)。PA-3乳酸菌が入っていないヨーグルトを摂取した群と、入っているヨーグルトを摂取した群の尿酸値の変化を比較した。「入っていない」グループは休薬の影響で尿酸値の上昇が見られたが、「入っている」グループの尿酸値はほぼ変わらなかった。
山中寿東京女子医科大学教授、付属膠原病リウマチ痛風センター所長らによる試験。


 

イラストレーション・中川原 透
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#ヘルス