【ヨガのポーズ85】“リカバリー” 筋弛緩法——Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方
今日もがんばれる!と思える朝を迎えるために──カラダで緊張状態を作ってから力を抜くと、頭で考えるより、効率よくリラックス状態を作れます。その習慣が、あなたの回復力を助けます。
撮影・森山祐子 イラストレーション・SHOKO TAKAHASHI 構成&文・越川典子
筋弛緩法
床に横たわり、両腕、両脚をやや広げます。顔じゅうの筋肉を縮め、手の親指を握り込みながら、肩を耳に近づけます。足指もグーの形にして力を入れます。そのまま5秒。力を抜いて20秒深呼吸します。3~5回くり返しましょう。
顔からつま先まで、思いっきり緊張させ、その後、一気に全身の力を緩める──。認知行動療法としてもさまざまな効果が実証されている「筋弛緩法」です(以前紹介した「しかばねのポーズ」の前段階)。
横になってみましょう。親指を手のひらに握り込み、目や口をぎゅっと中心に集めるようにし、肩は耳に思い切り近づけます。お尻の穴もぎゅっと締め、足の指はグーの形に丸めます。
全身に力が入っていますか? そのまま5秒。力を一気に抜いて20秒、弛緩状態に。これを何度かくり返します。入眠までの時間が短縮されたり、睡眠時間が延びたり、睡眠全般の満足度が高くなることがわかっています。
弛緩の瞬間、「力(緊張)を手放す」感覚をぜひ味わってください。知らないうちに入っていた力がふっと抜ける、ほどけることによって、ただ睡眠をとるよりもリカバリーできます。
リカバリーとは、マイナスをゼロに戻すことではありません。プラスの自分でスタートして、思いきり活動し、ゼロになって帰宅。夜、再び筋弛緩法でリカバリーし、翌朝にプラスに戻す。そんなイメージで暮らすと、日々のコントロールが効率よくできるはず。100点満点ではないけれど、「今日もがんばれる!」と思える朝を迎えられると思います。
『クロワッサン』1154号より
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