【運動・健康チェック】簡単に記録して、賢く管理。データの可視化で健康長寿を目指す
イラストレーション・松栄舞子 構成&文・板倉みきこ
健康維持に必須の【運動】は、普段の歩行の見直しから始めよう
「ヘルスケア」の歩行管理画面。見直しに役立てたいのが、歩行速度や歩幅、歩行両脚支持時間(歩行中に両足が地面についている時間の割合)、歩行非対称性(片方の足がもう片方の足より地面につくタイミングが遅くなったり早くなる時間の割合)というデータ。歩行両脚支持時間と歩行非対称性で、左右の足に交互に体重をかけ、両脚でバランスよく安定して歩けているか、股関節に問題がないかなどが分かる。普段のデータを把握し、運動に活かそう。
最近ヘルスケア市場で話題になっているのが、“PHR”(パーソナル・ヘルス・レコード)という言葉。これは、自分の健康に関わる様々な情報を記録することで、個々の健康管理や、病気の予防に役立てようとする考えが元にある。スマホで活用できるサービスやアプリにも、PHR関連が増加中。
「差し迫った健康上の問題を抱えていないと、データ管理のメリットを感じにくいかもしれません。でも、自分の正常時のデータは財産です。加齢によって年々筋力や免疫力などは低下し、様々な疾病を患うリスクも高まります。明日より今日が一番若くて元気な時。正常時のデータを知り、健康管理や健康増進に活かしていくことをおすすめします」(医師・伊藤史子さん)
加齢による筋力低下や、骨が弱くなっていくことは避けられない。そこで筋力や骨量の維持、QOLの維持のために、運動の習慣化は必須だ。ただこれまで運動してこなかった人は、日常の歩行を見直すだけでも充分効果を得られる。
「姿勢を整え、いつもより少し歩幅を大きく、スピードを上げて歩くように意識すれば、大腿四頭筋、お尻の大臀筋や中臀筋、上半身と下半身をつなぐ腸腰筋など、様々な筋肉を鍛えられます」
歩行のデータ化に役立つのが、スマホにもともと入っていたり、無料で使用できるヘルスケアアプリだ。
「1日10分でもいいので、普段と違う運動感覚の歩きを取り入れてみましょう。アプリを使えば、ゲーム感覚で楽しめると思います」
(右)ヘルスコネクト/Android専用の無料アプリ。50種以上の健康データを識別・分類。様々なデバイスやアプリと連携して活用する。
【健康チェック】
技術の進歩で様々な健康データを簡単にチェックできる時代
自分をよく知ることが、健康管理の基本。「元来弱い部分や、体調を崩しやすい時季・パターンを知ると、生活習慣の見直しや時季にあった対策を取れます。健康データと上手に付き合えば、QOLの維持が叶うのです」
あなたに最適なデータ管理方法を見つけて
栄養状態を手軽に測定し、アプリで確認
Vivoo
日々の栄養状態を尿でチェック。肉/野菜バランス、ビタミンCなど6項目をテスト。専用アプリで食事や生活習慣のアドバイスが受けられる。尿は体の中の状態を教えてくれる大切な判断材料。口に入れるものへの意識が変わるきっかけにもできそうだ。ストリップ(試験紙)4本入り2,600円(大塚製薬 https://www.vivoo.jp)
腸内フローラに合ったセルフケアが判明
健腸ナビ
腸内フローラの検査・分析サービス。大腸がんや乳がん、認知症、骨粗鬆症など様々な病気のリスクを分析。今の腸内フローラの構成を踏まえたおすすめの食品情報も得られる。結果に一喜一憂するのではなく、食生活や生活習慣の改善に活かそう。検査キット3万8500円(健腸ナビ https://kenchonavi.com/)
気になる脚の筋肉量も確認できる体組成計。
体組成計 BC-774L
脚力低下には早めの対策が必要と開発された新商品。体重を支えるだけの脚の筋肉量があるかを「脚点」として表示、内臓脂肪レベル、基礎代謝量なども分かる。専用アプリ「TANITA Record」と連動させデータ管理。抗老化に筋肉量の維持は必須。日々の確認に役立てたい。1万3200円*編集部調べ(タニタ https://www.tanita.co.jp)
自律神経が教えてくれる、自分の体と心の声。
カルテコ
提携医療機関の診察記録などを確認できるサービス「カルテコ」による、スマホのカメラで10秒間顔を撮影し、自律神経や疲労度をチェックできるアプリ。気づかぬうちに疲労をため、体調を崩してしまいがち。こうしたチェックで適切な休養を取り入れられる。無料(アプリ内課金あり)。(カルテコ https://karteco.jp/)
『クロワッサン』1141号より
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