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【睡眠】実は多い、睡眠状態の誤認。データを取って、正しく対応を

自分の健康に関わる情報は、スマホを使って管理すれば病気の予防や健康維持に大いに役立ちます。医師のアドバイスとともにその活用法を紹介。

イラストレーション・松栄舞子 構成&文・板倉みきこ

普段の睡眠をチェック


□布団に入っても30分以上寝つけない
□寝ようとする時に、足や腕の不快感で眠りを妨げられる
□夜中に何度も目が覚める
□以前よりも2時間以上早く目覚めてしまい、そのあと眠れない
□いびき・無呼吸を指摘される
□起床時に、口の渇き・喉の乾燥感が気になる
□以前と同じ睡眠時間をとっているのに、朝起きた時に眠気や疲労感が残る
□途中、目覚めることはないが、朝の目覚めが悪く、無理に起きると頭痛やめまい、吐き気を感じることがある

どれか1つでも週に半分以上当てはまれば、睡眠障害が隠れている可能性がある。


 

睡眠時間の少なさが問題視される日本。免疫力の低下や生活習慣病のリスクの上昇など、寝不足による悪影響は分かっていても、忙しくて時間を確保するのは非現実的。そこで、睡眠の質を上げる工夫をしている人も多いだろう。

「ただ、睡眠の質を上げれば、時間は短くても大丈夫という考えは間違いです。心身が満足する睡眠は、睡眠時間+睡眠の質+寝るタイミング(規則正しさ)から成り立ちます。労働世代(26~64歳)に推奨される睡眠時間は7〜8時間ほど。それ以下が続いているなら、常に睡眠不足なのだと自覚し、せめて質や規則正しさは維持するなど、眠りの充実度をこれ以上下げない対策が必要です」(医師・中村真樹さん)

日中に眠気を感じなければ、よい睡眠がとれているというわけでもない。

「寝不足状態に慣れてしまうと、脳は疲弊しているのに、眠気を自覚しにくくなる傾向があるからです。一方で、加齢により必要な総睡眠時間は短くなり、質も低下するのが普通なのですが、若い頃と同じ睡眠ができないからと、過剰に不安がる人もいます」

そこで、睡眠を可視化するアプリやスマート機器を使い、自分の睡眠を客観的に評価し、健康維持につなげたい。「浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠が安定して周期的に訪れるのが理想的(下グラフ参照)。個人ではこのグラフほど正確には測れませんが、簡易的にでも自分の眠りを評価できれば、効果的な対策も考えられるでしょう。ただ、不眠には何か病気が隠れている可能性も。気になる状態が続くなら専門家に相談してください」

【睡眠のサイクル】「脳と体を休める」といわれるノンレム睡眠と、「記憶の管理」を担うレム睡眠。この2つが一対になった睡眠単位が、睡眠中に安定して3〜6回繰り返されるのが理想。1回の睡眠単位は通常90〜120分周期。
【睡眠のサイクル】「脳と体を休める」といわれるノンレム睡眠と、「記憶の管理」を担うレム睡眠。この2つが一対になった睡眠単位が、睡眠中に安定して3〜6回繰り返されるのが理想。1回の睡眠単位は通常90〜120分周期。

睡眠状態を教えてくれる、編集部おすすめのアイテム

睡眠の量、質、タイミングをデータ化する機器。睡眠の深さは脳波でないと正確に測れないが、体動や脈拍、呼吸などから睡眠状態を推定する。結果、自覚と異なる睡眠時間やいびきに気づかされることも。「データを多く取れば、寝ている時間だけでなく、食事の時間や内容など、自分の睡眠に影響しているものが何か見えてくることも多いでしょう」

(c)2023 Pokémon. (c)1995-2023 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.Pokémon Sleep is developed by SELECT BUTTON inc. ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
(c)2023 Pokémon. (c)1995-2023 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.Pokémon Sleep is developed by SELECT BUTTON inc. ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。

ゲームを楽しみながら、睡眠リズムを改善
『PokémonSleep』

睡眠データをゲームに活用するアプリ。枕元に置いたスマホに記録された、自分の睡眠パターンに基づいてポケモンが集まり、仲間にできる。睡眠時間などがポケモンとの絆にも関わるので、睡眠に対する意識が高まり、規則正しい睡眠リズムを促す。無料(ゲーム内課金あり)。(Pokémon Sleep https://www.pokemonsleep.net

【睡眠】実は多い、睡眠状態の誤認。データを取って、正しく対応を

自宅でできる病院レベルの睡眠計測サービス
脳波測定 InSomnograf

脳波計測デバイスを使って睡眠中の脳波を測定し、詳細な睡眠状態を判定。眠るまでにかかった時間、中途覚醒の時間、レム睡眠やノンレム睡眠の量などを算出する。医療機関で申し込むプランでは専門家のアドバイスも受けられる。簡易体験(2晩計測)はスマホから申し込み可能。体験プラン1万3000円(S’UIMIN https://www.suimin.co.jp/

【睡眠】実は多い、睡眠状態の誤認。データを取って、正しく対応を

アプリと連動し、眠りを可視化する最先端マットレス
[エアーコネクテッド]SXマットレス

トップアスリートも愛用するマットレスの寝心地はそのままに、高精度の睡眠データを測定できるアプリとの連携が実現。『日本睡眠科学研究所』が監修した睡眠アプリ「goomo」をマットレスと連携することで、睡眠深度や自律神経バランス、無呼吸のリスクなどが測定可能。シングル20万9000円、アプリ無料。(nishikawa https://airsleep.jp

【睡眠】実は多い、睡眠状態の誤認。データを取って、正しく対応を

スマートリングの最新版で、睡眠&健康管理がより身近に
OuraRing 4

フィンランド発、リング型の健康チェッカーに第四世代が昨秋登場。指に自然にフィットし、睡眠も含めて一日中、正確かつ継続したデータを提供。心拍数、心拍変動、体表温変化、日中のストレス、睡眠中の血中酸素濃度や呼吸数などを測定。専用アプリでデータ管理。耐水性。6色展開、サイズ4〜15 349ドル〜(ŌURA https://ouraring.com/ja

  • 中村真樹 さん (なかむら・まさき)

    医師

    日本睡眠学会総合専門医、日本精神神経学会精神科専門医。『青山・表参道睡眠ストレスクリニック』院長として診断・治療に従事。

『クロワッサン』1141号より

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